サミットストア、試食コーナーを順次再開  新型コロナ5類移行で

 サミットは、コロナ禍で休止していたサミットストアの試食コーナー「おためし下さい」を順次再開していく。

 一部の店舗ではすでに実施日時の指定や提供メニュー数を絞り込むなどして限定的に再開。今後は、コロナ禍以前の本格再開に向けて動き出す。

 8日、決算説明会で服部哲也社長は「中途半端に再開するのではなく、もともとやっていた通りのやり方に戻さないといけない。『おためし下さい』では、気軽に商品が試せて、試食したからといって商品を買わなければいけないということはない。このコンセプトが曖昧なまま定着してしまうのが一番よろしくない」との考えを明らかにする。

 従来通りの再開に立ちはだかるのは従業員の確保。

 「残念ながら3年間も休止していると、『おためし下さい』の担当者が他部門で働いていたりして、そこの人繰りがそう簡単にはいかない」と語る。

サミットの服部哲也社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
サミットの服部哲也社長

 再開の動きは、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が8日、2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類に移行したことが背景にあると思われる。
 5類移行に伴い「小売業の店舗における新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」は廃止された。

 同ガイドラインでは、試食の際は、試食用の容器などに小分け・カバーした上でトレーなどに置いて顧客が自ら取る方式などが定められていた。

 ガイドライン廃止により試食そのものにも変化の兆しがみられる。

 「(試食品にかけていた)ビニールラップを今日から取り外したところ、多くの方に試食していただけた。当社としてはお客様のことを心配してかけていたが、かかっていると手を出しづらいという心理が働いていたようだ」との見方を示す。

一部の店舗では限定的に再開 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
一部の店舗では限定的に再開

 消費動向については「8日以前から世の中は普通の生活をされている印象があり、5類移行であまり変化が起こるような感じは今のところ抱いていない」とみている。

 マスクの着用は3月から個人の判断に委ねている。

 「日本人の特性かもしれないが、個人の判断よりも、大勢になびいてしまうきらいがあるため、役員には“リーダーがマスクを外さないと部下が外せなくなる。かといって部下に外すことを求めないようにしよう”という話をした」と述べる。