自主アパレル撤退するイトーヨーカ堂 今後の方針は強みの食品を磨きドラッグストアの品揃えを大幅強化

 イトーヨーカ堂は今後、自社製造のアパレル事業(自主アパレル)から撤退し、強みとする食品を引き続き磨きつつドラッグストアの品揃えを大幅に強化していく。

 梅津尚宏執行役員ライフスタイル事業部長は4月26日、大改装した「イトーヨーカドーららぽーと横浜店」(神奈川県横浜市)でイトーヨーカドーの全体戦略に触れ、かねてから取り組んでいる構造改革を加速させていく考えを明らかにする。

 「構造改革で着実に利益改善してきたが、対外発表した“2025年度に首都圏スーパーマーケット事業のEBITDA550億円、ROIC4%以上”を達成するには、確実に利益がスピーディーに改善させる施策にヒト・モノ・カネを集中させていく」と語る。

ベビーカーやショッピングカートが通りやすいように通路の幅を広げて、食品との買い合わせを促進する日用品売場。「イトーヨーカドーららぽーと横浜店」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
ベビーカーやショッピングカートが通りやすいように通路の幅を広げて、食品との買い合わせを促進する日用品売場。「イトーヨーカドーららぽーと横浜店」

 利益成長のメイン施策に掲げるのが“Food&Drug”。

 「食品の品揃えは充実しており、ある程度の力を持っている」ことから、とりわけドラッグ業態の強化に注力していく。

 思い描く青写真は「ワンストップで食品も薬も一度に買えて、コスパもタイパも満足していただける買い物体験」。

 そのための最優先課題に、イトーヨーカドーをドラッグ(医薬品・日用品・コスメ)の購入場所として認知してもらうことを掲げ、競合に負けないドラッグの品揃えも優先課題に位置付ける。

 ドラッグ売場の認知拡大には、売場レイアウトの変更で対応していく。

 30~40代子育てファミリー層の獲得を目指す「ららぽーと横浜店」では、改装前は内側を向いていた医薬品売場を食品側に向けることで売場認知アップさせた。

 「薬」も文字を大きくあしらった「Drug Cosme(ドラコス)」売場の導入も現在の18店舗から今年度中に40店舗程度拡大し「来年度中に全店に導入してドラッグストア化していきたい」と述べる。

 日用品売場は、ベビーカーやショッピングカートが通りやすいように通路の幅を広げて、食品との買い合わせを促進する。

従来の横置き陳列に加え縦置き陳列を取り入れた医薬品売場。「イトーヨーカドーららぽーと横浜店」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
従来の横置き陳列に加え縦置き陳列を取り入れた医薬品売場。「イトーヨーカドーららぽーと横浜店」

 日用品の品揃えは、ニーズ細分化への対応も意識。その一例がシャンプーで「昔と違い、今はお父さん、お母さん、娘さん、息子さんがそれぞれ違うシャンプーを使う。この中で品揃えが1つでも欠けてしまうと、主婦のお客様にとって買い場でなくなる」という。

 医薬品の品揃えに関しては、指定第2類医薬品については情報提供場所から7m以内の範囲内に陳列することが改正薬事法で定められていることから、「ららぽーと横浜店」では従来の横置き陳列に加え縦置き陳列を取り入れることで品揃えを約1.3倍に拡大した。

 医薬品は品揃えに加えて価格戦略も強化。
 「1ヵ月の半分くらいは2割引き程度の価格で販売している」と語る。

 そのほか、ケア用品、韓国コスメに代表されるアジアンコスメ、ペット商品などの品揃えを強化していく。

 ドラッグ売場の認知拡大や品揃え以外の取り組みとしては、ワンフロア化を引き続き推進していく。

 昨夏、衣食住ワンフロア化の大改装を実施した「イトーヨーカドー幕張店」(千葉県千葉市)については「大改装から半年以上が経ち、予算を割った週は1、2回程度で非常に好調」と振り返る。

アジアンコスメの売場。「イトーヨーカドーららぽーと横浜店」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
アジアンコスメの売場。「イトーヨーカドーららぽーと横浜店」

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