インスタントコーヒー市場が個包装のスティックタイプに沸く。
個包装インスタントコーヒーは、スティックブラックまたはブラックスティックと呼ばれ、お湯を注ぐだけで簡単につくれるほか、個包装のため一杯ずつ新鮮に味わるといった点が基本価値となっている。
パーソナルニーズに対応して、近年、拡大傾向にあり、コロナ禍を契機に新たに若年層のニーズをつかみ勢いを加速させている。
カフェやコンビニでブラックコーヒーを飲んでいる若年層が、在宅時間の増加によってスティックブラックの基本価値に触れトライアル・リピートともに拡大している。
持ち運びしやすい点も特徴で家庭内に留まらず飲用シーンも広がりをみせている。
![ブレンディ毎日の腸活コーヒーシリーズのスティックタイプ 「ブレンディ」毎日の腸活コーヒーシリーズのスティックタイプ - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)](https://shokuhin.net/wp-content/uploads/2023/04/c73e98469a2a78f2000c64c0e8b02196-225x300.jpg)
味の素AGF調べによると、スティックブラック市場の2018年から22年の4月~9月における金額ベースの年平均伸長率は124%と推定。22年4-12月の期間でも前年同期比二桁増とみている。
AGFも22年度のスティックブラックは前年と比較し二桁成長と伸びを見せる結果となった。
AGFは今年、健康とエリア特性の2軸で新たな付加価値商品を展開している。
健康のアプローチでは、機能性表示食品「ブレンディ」毎日の腸活コーヒーシリーズからスティックタイプを3月に新発売。
「自分に合っている味わいかを確かめるのに、140g袋の既存商品だと量が多いため“まずは少量で自分に合っているか試したい”“外出先でも飲用したい”といったお声があり、そのニーズや利便性に対応すべく今回、スティックタイプを発売した」(味の素AGF)という。
![ちょっと贅沢な珈琲店スティックブラックシリーズのエリア商品 「ちょっと贅沢な珈琲店」スティックブラックシリーズのエリア商品 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)](https://shokuhin.net/wp-content/uploads/2023/04/d0465fc4735ef237e978e97fc0718cfb-300x225.jpg)
一方、エリア向けのアプローチでは、現在レギュラーコーヒーで8エリアに渡る展開で好調が続く「ちょっと贅沢な珈琲店」エリア向けシリーズから、今年はスティックブラックシリーズにラインナップを拡充し、東北・東海・瀬戸内(中国・四国)・九州4エリアの嗜好や特性に合わせたインスタントコーヒー4品を3月に新発売した。
これに対して、ネスレ日本もエントリー層の獲得に取り組み勢いを加速させる。
今年、市場を席捲している「ネスカフェ ゴールドブレンド ブラックスティック」と「ネスカフェ エクセラ ブラックスティック」に加え、新たに「ネスカフェ 香味焙煎 ひとときの贅沢」のスティックブラック商品を3月から発売している。
![ネスカフェ 香味焙煎 ひとときの贅沢のスティックブラック 「ネスカフェ 香味焙煎 ひとときの贅沢」のスティックブラック - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)](https://shokuhin.net/wp-content/uploads/2023/04/366f42c15a25b2dccae01ec4b2a09533-274x300.jpg)
ネスレ日本は「ネスカフェ 香味焙煎」をブランドごと大刷新して新たに30代女性をメインのコミュニケーションターゲットに定めている。
「ネスカフェ エクセラ」では、5月7日までの期間限定で新丸の内ビル地下1階(東京都千代田区)に「ネスカフェ エクセラ×テレキューブ はずむ気持ちボックス」をオープンし、「エクセラ ブラックスティック」の接点を拡大している。
「エクセラ ブラックスティック」の22年販売金額は26本入りの大容量が牽引して前年比5%増を記録した。
「ネスカフェ ゴールドブレンド ブラックスティック」はそれを上回る伸びをみせ22年販売金額は前年比19%増となった。
![ネスカフェ エクセラ ブラックスティック26本入り 「ネスカフェ エクセラ ブラックスティック」26本入り - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)](https://shokuhin.net/wp-content/uploads/2023/04/d95d3f131bba4a69b470089e9d2b1953-254x300.jpg)
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