チチヤスの屋台骨「毎朝快調」初の機能性表示食品 強みはおいしさ「どこにも負けないという自負を持って製造」

 チチヤスと伊藤園は4月10日、チチヤスの「毎朝快調」ブランド初の機能性表示食品をそれぞれ新発売する。

 ラインアップは、チチヤスからは「毎朝快調ヨーグルト腸内環境改善」と「同 低糖質」のヨーグルト2品、伊藤園からは「毎朝快調 腸内環境改善」の乳酸菌入り飲料1品の計3品。

 今回の新商品投入は、機能性表示食品のヨーグルトが急成長していることや乳酸菌系ドリンク市場の拡大を受けた動きとなる。

 健康志向の高まりからヨーグルトと乳酸菌入り商品の双方で多様化が進む中、おいしさを強みにしていく。

左からチチヤスの久保貴義取締役、上垣内佳奈氏、伊藤園の堀悠子氏。チチヤスのキャラクター・チー坊を囲む。 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左からチチヤスの久保貴義取締役、上垣内佳奈氏、伊藤園の堀悠子氏。チチヤスのキャラクター・チー坊を囲む。

 3月30日発表したチチヤスの久保貴義取締役マーケティング・商品開発・広島工場管掌は「強みは“おいしいヨーグルト”である点。どこにも負けないという自負を持って製造している。ただ一部には、食べられたご意見で“懐かしい”というお言葉が非常に多く、“おいしい”と“懐かしい”がチチヤスの強みで、今回、伊藤園と一緒に商品を出していくことでグレードアップできるのではないかと考えている」と語る。

 1997年に誕生した「毎朝快調ヨーグルト」(当時の商品名・毎朝快腸ヨーグルト)は、チチヤスの屋台骨となる商品で、生きて腸まで届く乳酸菌(生菌)・乳酸菌の栄養源となる食物繊維・低脂肪を基本スペックに“毎朝のお通じを毎日のヨーグルトで”をコンセプトに展開している。

 このような特徴はそのままに、ヨーグルトの新商品ではさらに機能を強化。
 善玉菌として知られているビフィズス菌を増やすことで腸内環境を改善することが報告されている機能性関与成分「イヌリン(食物繊維)」を 4.5g 含有した機能性表示食品に仕立てられている。

 チチヤス・マーケティング部販促課の上垣内佳奈氏は、4個パックも強みに挙げ「機能性表示のヨーグルトでは他社に類を見ない4P連物展開で、毎日お客様が食べ続けやすいということはもちろん、家族ともシェアしやすい点が特徴になると考えている」と述べる。

 一方、伊藤園が発売する「毎朝快調 腸内環境改善」は、ドリンクヨーグルトと乳酸菌飲料の乳酸菌系ドリンクが拡大する中で、外部調査で最上位に浮上した乳酸菌系ドリンクの“効果が感じられない”不満点の解消を図るとともに、同じく最上位に浮上した“腸内環境の改善”の期待点に応えるべく開発された。

 ビフィズス菌を増やすグアーガム分解物(食物繊維)の働きで腸内環境を改善し、小容量でも飲みごたえがある濃度感が特徴となっている。

 伊藤園マーケティング本部新ブランド育成・コーヒーブランドグループの堀悠子氏は「特徴は3つあり、1つ目は腸内環境改善をヘルスクレームとする機能性表示食品である点。2つ目は、6種の乳酸菌を使用している点で、3つ目は『毎朝快調ヨーグルト』のドリンク版である点」と説明する。

 販促施策としては、発売日の4月10日から、腸内環境がわかる検査キットを景品にしたプレゼントキャンペーンを展開していく。

 チチヤスは1886年(明治19年)に創業。創業時の社名は広島合資ミルク会社で1904年に社名をチチヤスに変更した。1917年に日本初のヨーグルトを発売し1975年に関東へ進出。2011年に伊藤園グループ入りした。

 開発での主な役割分担については、チチヤスが乳系・乳酸菌商品に関する技術を伊藤園に提供し、伊藤園は研究インフラやマーケティングのノウハウをチチヤスに提供している。

 営業体制は、前期(4月期)からチチヤスの営業社員を伊藤園に送り込み伊藤園で一括。 
 「販売網をドライ・チルドの双方のいいところを使いながら広げていくという体制のために営業を集約した」(チチヤスの久保取締役)という。

 チチヤスの今後の目指すべき方向については「単にデザートのヨーグルトを広げていくだけではなくて、機能性を表記できるような原料でお客様の健康を常に考えた商品作りを考えている」(同)と意欲をのぞかせる。

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