活性化する無糖紅茶飲料市場でパイオニアの「ジャワティ」はどう動く? 大塚食品・春の商品施策

 大塚食品は飲料と食品で健康を軸足にした春の商品施策を展開していく。

 3月8日発表した森河洋一執行役員製品部長は、取り巻く外部環境について「ここ数年間で、世の中の環境は激変し、健康や健やかな体づくり、環境、SDGsへの関心が非常に高まっている。また、個食化、簡便、時短といったところも非常に重要なニーズになっている」との見方を示す。

 この見方を受けて、飲料ではビタミン炭酸飲料「マッチ」と無糖紅茶飲料「シンビーノ ジャワティストレート」(以下ジャワティ)でおいしさと健康の両立に対応し、輸入ミネラルウォーター「クリスタルガイザー」と大豆飲料「スゴイダイズ」ではエコ意識の高まりに重きを置いて対応していく。

 「マッチ」は、新ラインアップとして「塩レモンソーダ」(500mlPET)と「マッチゼリー マスカット」(260g)を3月27日に発売開始する。

大塚食品の森河洋一執行役員製品部長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
大塚食品の森河洋一執行役員製品部長

 活性化している無糖紅茶飲料市場に向けては、無糖紅茶飲料のパイオニアである「ジャワティ」の価値を発信していく。

 小林一志製品部飲料担当部長マッチ担当PMは「他のブランドとの差別化ポイントとして、『ジャワティ』」本来の価値を発信していく活動を今後展開していく」と語る。

 「ジャワティ」の本来の価値・ユニークさは、原材名が紅茶のみである点。無糖茶飲料には通常、酸化防止のためにビタミンCが含まれているが、「ジャワティ」には含まれていない。

 「ジャワティ」は、平成元年(1989年)に発売開始され、無糖、無香料・無着色・ジャワ島産茶葉100%使用・透き通る鮮やかな琥珀色のこだわりを30年以上守りつづけている。

 「クリスタルガイザー」は、昨年に引き続き、ボトルとキャップで環境に配慮している点と、米国カリフォルニア州北部にある大自然マウント・シャスタの水源の魅力をコミュニケーションしていく。

大塚食品の伊藤征樹製品部食品担当部長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
大塚食品の伊藤征樹製品部食品担当部長

 食品では、健康と個食・簡便・時短への対応として、レトルト食品「マイサイズ」から新シリーズ「マイサイズ ホールケア」を新発売する。

 伊藤征樹製品部食品担当部長はレトルト食品全体の考え方について「消費者動向はまたさらに変わっていくと考えている。その変化に適応した価値提案を行っていく」と述べる。

 価値提案は(1)健康系レトルトの提案強化(2)調理レトルト・アレンジレシピの提案(3)防災備蓄・非常時の支援物資(4)食の多様化で動物性原料不使用のレトルト発売――主に4つを軸足にしていく。