ロングセラーで高単価コーヒーの「トアルコ トラジャ」に若年層が支持 背景に在宅時間の充実化 売場でより選ばれる存在へ刷新

 キーコーヒーは、今年発売45周年を迎えたロングセラーで高単価の「トアルコ トラジャ」を使用したレギュラーコーヒーがコロナ禍の2020年以降、30‐40代の若年・中年層が新たに購入している傾向を受け、この流れを加速させる。

 3月1日、「トラジャブレンドシリーズ」3品(豆・粉・ドリップ オン)と「トアルコ トラジャ」ストレートの味わいが楽しめる「ドリップ オン トアルコ トラジャ」をリニューアル発売した。

 2月1日発表した小笹明子マーケティング本部R&Dグループ設計第一チームリーダーは「既存ロイヤルユーザーを最優先としながらも新規のユーザーの獲得も狙っていきたい」と意欲をのぞかせる。

 「トラジャブレンドシリーズ」は「お客様センターに寄せられたお声なども含めていろいろと調査をしたところ、現行品にネガティブな評価はほぼ無かったことから、味の方向性は変えずに特徴である香りをもっと引き出した」。

 具体的には、ブレンドなどを工夫して現行品と比較して香気総量を13%増加させ、より香り高く濃厚でコク深い味わいへと刷新した。

 「抽出液の味覚センサーで測定したところ、濃厚さを表す塩味と、コク深さを表すうま味コクが現行品と比較してかなり増加していることが見て取れ、より飲みごたえを感じていただける味わいになった」と胸を張る。

 「トラジャブレンドシリーズ」のパッケージは、現行品のイメージに磨きをかけるべく、グリーンとゴールドの基調を担保しつつ、若年層も意識したシンプルで上質なデザインへと一新した。

 生活者にインドネシア・スラウェシ島トラジャ地方の「トアルコ トラジャ」産地を想起してもらうべく、トラジャ地方ならではの船形の屋根が特徴の高床式家屋「トンコナン」のある山並みも新たにデザインした。

 一方、「ドリップ オン トアルコ トラジャ」は、より高級感を打ち出すべくグリーンを基調としたパッケージに改めた。

 30‐40代の若年・中年層が新たに「トアルコ トラジャ」を購入するようになった要因については、コロナ禍で在宅時間をより充実させたいニーズが強まり、そのニーズに合致したとみている。

 「外出自粛でコーヒーの購入場所が限られた中で、スーパー・量販店の売場で、若年層かから在宅時間を充実させるためのコーヒーとして選ばれたと思っている。これまで高単価商品は50代以上の方をターゲットにしてきたが、若年層にも興味を持っていただけるということが十分に分かったため、既存のロイヤルユーザーを最優先としながらも、このような機械を逃さず、若年層にも積極的にアプローチをしていきたい」と述べる。

 「トアルコ トラジャ」シリーズの販売は数量ベースで21年に18年比18%増を記録するなど順調に推移している。

 販売動向としては、豆の比率が高いのが特長で「家庭用市場は豆と粉の比率が1対9と粉が圧倒的に多いのに対し『トラジャブレンドシリーズ』に関しては豆が1に対して粉が2と、豆の販売構成比が高く、本格志向のユーザーに支えられている」と説明する。

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