サントリー食品インターナショナル3年連続の増収増益  その原動力は現場主義 小野次期社長に「ある種の永久革命」託す

 2022年12月期連結業績で3年連続の増収増益を果たしたサントリー食品インターナショナル。その原動力は現場主義にありそうだ。

 2019年3月から現職の齋藤和弘社長が推進したのが現場主義とダイバーシティ。

 2月13日決算説明会に臨んだ齋藤社長は、就任以来取り組んだこととして「お客様の嗜好がどんどん変わり、買い物時間がどんどん短くなってきていることに即応しないといけない。短い買い物の中で、思いつくブランドにならないといけないし、目がつくようなプロモーションをやらなければいけないということで、現場に近いところにリソースを送りこんだ」と語る。

 ダイバーシティについては「いろいろな国の人と、交流というレベルではなく異動を含めた人事を促進した。語学ができる・できないではなく、コミュニケーションが濃密にできるようになったのが私のやれたことかなと思っている」と総括する。

 齋藤社長は3月下旬に退任予定。現・サントリーホールディングス常務執行役員でサステナビリティ経営推進本部長の小野真紀子氏にバトンを渡す。

 「社長とかCFOとか関係なく現場に行って勘所を見つけないと勝負にならないというのが我々の事業。幹部層が現場になるべく行かないと弱くなり、組織というのはどの会社さんも、ある程度出来上がると固まり始める。極めて精神的には疲れるが、継続的にそれを壊し続けるというある種の永久革命を小野に託したい。小野は私よりも遥かにタフネゴシエーターで、いろいろな経験もしている」と期待を寄せる。

 説明会終了後に挨拶した小野次期社長は「攻めの姿勢を貫きグループを成長させてきた齋藤の後を引き継ぐのは非常に重責ではあるが、今後グローバルでさらに攻勢に打って出るとともにダイバーシティ―に富む経営を進めていきたい。自分の目で広く現場を見た上で新しいチームと一緒に企業活動向上につながる新たな成長戦略を描き実行していく」と意欲をのぞかせる。