本命チョコは今や昔? バレンタインデーの存在意義に変化  友チョコは再活性化の兆し インテージ調べ

 友達同士でチョコレートを贈り合って楽しむ友チョコに再活性化の兆しがみられるなどバレンタインデーにチョコを用意する目的に変化がみられることがマーケティングリサーチ会社・インテージの調査で判明した。

 同社は、全国の15~79歳の女性1325人を対象に「個人で用意するチョコは誰に贈るか」の調査を行ったところ、「渡す予定はない」の回答の割合が2割弱と最も低かった10代(15‐19歳)では、7割が友チョコを予定していることが浮き彫りとなった。この割合は10代から70代までの各世代の中で突出して高くなっている。

 友チョコはコロナ禍で差し控えられる傾向にあり、10代で昨年に友チョコを渡したと回答した人は56%であったことから、今年の回答は友チョコ再活性化の兆しとらえることもできる。

 生活者研究センターの田中宏昌センター長は、バレンタインそのものの存在意義が変化したと指摘する。
 「以前のような“女性から恋人へ”、あるいは職場における義理チョコのような認識や行為は薄れていっている。むしろ、バレンタインを“素敵なイベント”として捉え、友人や家族 (夫)あるいは自分への“ありがとう・おつかれさま”を伝える機会になっているようだ。ジェンダーという価値観が変化する中、バレンタインもまた変化しているように映る」とコメントしている。

 バレンタインデーを、世の中を明るくする契機と捉える動きもある。

 「ブラックサンダー」で知られる有楽製菓は、恋人たちだけでなく、友達や同僚、おひとり様でも笑顔になれる企画として、このほど「ブラックサンダー」のBと“バカバカしい”のBを掛けて「B級バレンタイン未来博」と題したイベントを実施した。

 有楽製菓の河合辰信社長は同企画について「物価高や世界情勢不安など何かとネガティブな未来に対し、夢のある安くておいしいお菓子を創造する企業として、一石を投じたいと企画した」と語った。

 なおインテージの調査では、全体で8%にとどまった本命チョコの予定は10代・20代の若年層では 20%を超えたことから、“好きな人や気になっている人にチョコレートを渡す日”といった従来の日本的バレンタインデーの風習が若い世代にある程度踏襲されていることも指摘する。