日本紅茶協会は今年、紅茶の提供を通じた社会貢献と紅茶の普及活動として「こども食堂ミルクティーでホッと一息プロジェクト」開始した。
NPO法人全国こども食堂支援センターむすびえを通じて応募のあった施設に日本紅茶協会認定ティーインストラクターが訪れ、ミルクティーをいれてティータイムを提供し紅茶にまつわるトークやクイズを行うもの。
19日、都内で開催された新年会で挨拶した日本紅茶協会の佐伯光則会長は同プロジェクトについて「草の根からの出発だが、今後、これらのことが少しずつ実を結び紅茶市場の活性化につながるのではないかと考えている」と語った。
13日、シャイニーキッズ竹ノ塚(東京都足立区)で最初の活動が実施された。
小学5年生7人を対象に、カップを温めてひと手間かけることで紅茶がよりおいしくなることを伝えたほか、紙芝居形式でトークやクイズも行ったところ「子どもたちからは“出前授業みたいでおもしろかった。学校では実験が多く、飲んだりする体験はなかなかできないので楽しかった”との声が聞かれた」(シャイニーキッズ竹ノ塚)という。
日本紅茶協会では、教育事業として紅茶全般の知識・おいしいいれ方や販売技術についてアドバイスできる「ティーインストラクター養成研修」や「ティーアドバイザー養成研修」を開催している。
これまでの資格取得者数はティーインストラクターが2237人、ティーアドバイザーが1609人。「今後ともこれら貴重な人材を、紅茶普及のためのアンバサダーとして有効に活用する機会を作っていきたい」と意欲をのぞかせた。
2月には4年ぶりとなるスリランカへティーインストラクターによる海外研修を予定している。
新年会で来賓挨拶したロドニー・ペレラ駐日スリランカ大使は「紅茶をよく飲むスリランカのような国にとって紅茶は心身ともに元気づけてくれる。世界中でより多くの方に紅茶が飲まれ楽しんでいただけることを期待している」と述べた。
続いて柴田裕副会長は「紅茶と紅茶の文化をしっかりと振興させていきたい」との考えを示し、片岡謙治副会長は紅茶のさらなる普及についてヌン活(アフタヌーンティー活動)や健康を打ち出した商品に期待を寄せた。
「これまで紅茶自体の香りや味わいを楽しんでいた生活者がヌン活でスイーツとアフタヌーンティーを楽しむようになり、健康・美容・ウェルビーイングといった流れを取り入れた紅茶の新商品も次々と発売されている」と説明した。
なお22年1-12月の家庭用紅茶市場は金額ベースで前年比99.1%となった。その内訳はティーバック102.6%、リーフティー89.2%、インスタントティー95.5%。
22年1月から11月末までのインスタントティーを除く日本の紅茶輸入量は、数量ベースで83.6%(約1万3623トン)、金額ベースで110%(約124億2000万円)となった。