伊藤園が京浜急行のホームに「青汁スタンド」開設 「青汁のイメージを変える!」 飲用経験少ない中高年男性を取り込む

 伊藤園は12月12日、横浜南部最大規模の主要駅である京浜急行電鉄(京急)上大岡駅上りホームに「毎日1杯の青汁」の認知を拡大するため青汁ジューススタンド「aostand(アオスタンド)」をオープンした。

 2012年に青汁ドリンクを発売した同社は、10年間に粉末タイプやPET、フルーツタイプ、機能性表示食品などカテゴリーを拡げ、量販店や自販機にも販路を拡大し「市場に先んじてお客様のニーズに応えてきた」(山口哲生マーケティング本部野菜・果汁ブランドグループ ブランドマネジャー)。

 その結果、市場規模は10年前と比べて約40%増加し、ドリンクは20~30代の若中年、粉末は50~60代の中高年を中心に浸透した。

 しかし青汁ノンユーザーには、依然として「まずい」「青臭い」などのイメージが上位を占めており、「青汁を飲んでもらえばイメージは変わる。おいしさを知ってもらうことで青汁飲用者を増やしたい」との想いから、飲料、粉末に続きショップを開設した。

「青汁のイメージを変える」と語る山口マネジャー(左)と小林課長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「青汁のイメージを変える」と語る山口マネジャー(左)と小林課長

 小林勇治新規事業推進部担当課長は、「アオスタンド開設の目的は青汁のイメージを変えること。飲料、粉末、店舗により、幅広い形でお客様と接点をもちたい」と言う。

 コンセプトは「毎日一杯、青汁習慣をはじめてみませんか?」。
 ターゲットは中高年男性で、「この世代は健康診断で何らかの注意を指摘されており、健康への意識が高いものの、何をしたらいいかわからない世代とも言われている」とし、中高年男性を含め、飲用経験のない人でも、いつでも飲みやすい青汁が楽しんでほしいと考えた。

 ターゲットにした時間帯は朝食時。「家で食べる朝食ではなく、職場で食べる朝食が増えている」ことから、開店時間を朝8時(平日)にした。

 オープンに先立ち「ごくごく飲める毎日1杯の青汁」を自販機チャネルで販売したところ、オフィス内ロケーションが好調だったことから、ビジネスパーソンにニーズがあると考え、通勤時にも利用できるロケーションとして駅ナカを選んだ。

「青汁のイメージを変える」と語る山口マネジャー(左)と小林課長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「青汁のイメージを変える」と語る山口マネジャー(左)と小林課長

 初出店した京急上大岡駅は、1日の乗降客数は10万人以上で、同駅の上りホームに開設。周辺は商業施設が多く、都心への通勤客が多く、住みやすさが人気の全世代型のベットタウン。その場で飲むワンストップとテイクアウトも可能。

 主なメニューは「毎日1杯の青汁(無糖)」(アイス&ホット)税込220円、「青汁ラテ(無糖)」(アイス&ホット)税込300円、「パイナップル&青汁」(アイス)税込350円。

 「約2年かけて都内のジューススタンドなど数百杯を飲み歩いた」と言う小林課長。
 プレーン青汁をはじめ、ミルクや果汁、野菜をミックスしたコールドドリンクメニュー9種類に加え、ホット青汁メニュー6種類を揃え、全15種類により様々な味わいが楽しめるようにした。

 このうち「パイナップル&青汁」は、青汁にパイナップル果汁をミックスすることで果実の甘みと酸味が加わり、青汁初心者には最適だと言う。

 原料の大麦若葉は、茶産地育成事業でお茶を栽培している茶農家が茶栽培の農閑期に栽培できるため、農家にも役立っている。また茶栽培に使われる機械が使え、従業員の通年雇用が可能なことから、農業経営の効率化にも貢献している。

 山口マネジャーによると、「2021年の青汁の市場規模は1078億円(構成比は粉末83%、飲料13%)、業態別市場規模(構成比)は通販59%、売店33%。だが青汁は僅か5%しか飲まれていない。ショップではお客様と直接触れ合える。もっと多くの人に飲んでもらって、実はおしいことを知ってもらいたい」と言う。

 また、伊藤園グループは、これまで「お~いお茶」「タリーズコーヒー」で飲料製品・リーフ(粉)製品、店舗での展開を通じてシナジーを生んできた。

 今回アオスタンドを出店し、お茶やコーヒー同様に、お客様との接点や飲用機会を拡充することで、お客様の”Well-Being”に貢献して行く」と語っている。

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