日本ハムは、将来的に懸念されている肉不足の「たんぱく質危機」の到来に対し、代替肉(植物肉、培養肉)がどの程度受け入れられているかの消費者意識調査を、11月29日の「いい肉の日」にちなみ実施した。
環境面や世界のたんぱく質不足に対する貢献では6割前後で良いイメージを得たのに対し、おいしさのイメージでは「分からない」が約4割を占めた。
日本ハムの売上高は食肉加工業界で国内1位、世界の食肉業界でも8位に位置し、人が生きる上で欠かせない日本人のたんぱく質摂取量の約6%を供給する国内トップ企業。代替肉では、大豆ミートを使用した「ナチュミート」シリーズなどを展開。培養肉では22年10月、業界に先駆けて培養液の動物血清を食品で代替することに成功したと発表し、培養肉の量産化実現に向けた第一歩を踏み出している。
今回はグループの「ライフスタイル研究室」が、全国20歳以上の男女5千798人を対象に、11月14~16日にインターネットで調査し、28日に結果を公表した。
代替肉の認知(知っている、聞いたことがある)への回答は、植物肉58.2%、培養肉42.9%。健康への良いイメージ(やや近い含む)では植物肉が66.9%と高いが、培養肉は28.1%に。美味しさのイメージ(やや近い含む)では、植物肉・培養肉ともに約15%だが、「分からない」「美味しくない」がどちらも約4割。価格面では通常の肉より高いイメージ(やや近い含む)が約5割を占めた。
「たんぱく質不足に貢献」「環境問題に貢献」「アニマルウェルフェアである」の3つの観点で代替肉を食べたい理由になるかの問いに対し、「やや食べたい」を含めて「たんぱく質不足に貢献」は植物肉で69%、培養肉で52.5%。「環境問題貢献」では、植物肉62.1%、培養肉54.6%。「アニマルウェルフェア」では、植物肉47.2%、培養肉45.1%と比較的高い数値を得た。