100周年のオタフクソース 「創業者の思いをつなぐ」 佐々木孝富社長に聞く

オタフクソースが26日、創業から100周年を迎えた。現在も創業者が残した様々な思いや言葉は、会社の理念として生き続けている。「100年先においても、大切なのはすべて人」と語る佐々木孝富社長に話を聞いた。

◇  ◇

――まずは100周年を迎えられた、今の思いを聞かせてください。

佐々木 自分たちだけで100年続けてこられたわけではありません。ここまで支えてくださった多くの方々とのご縁があったからこそ続いたわけで、ある意味この100年はご縁の集合体だと言えるかもしれません。

創業者が「ご縁を大切に」という言葉を残し、得意先や取引先、お客様、社会など産官学民とのいろいろなつながり、そして支えがあってこそ今があるというのを、改めて思い起こす機会となりました。

また、自分たちがどういう思いで事業を行ってきたのかということを、創業者の思いを掘り起こしながら一から振り返り、そして次の100年に何を残していくのかを考えました。それは中長期の計画やビジネスがどうこうというのではなく、思いをどのようにつなげていくのかという観点です。

われわれは創業者の意思や、様々な人生訓を会社の理念としてきました。これからもそれらを人財の育成や環境の整備に生かしながら、仕組みとして続けていくことが大事です。そして100年先においても、大切なのはすべて人だということを改めて認識しました。

――100周年の今年は記念パッケージ商品の発売に始まり、前田健太選手が登場したキャンペーン、3年ぶりの業務店向け提案会の開催、広島市の公園への遊具寄贈、そして創業日の11月26日には斉藤和義さんによる楽曲「100年サンシャイン」を使用した記念WEBムービーが発表されるなど、多彩な活動を展開した1年でしたね。

佐々木 100周年へ向けては、2年半前に若手社員が主役となりプロジェクトを組みました。何をするかアイディアを募集したところ、社内から約1千件集まりました。遊具の寄贈もそこから生まれたものです。最初は広島の子どもたちを笑顔にするという思いから、公園そのものを作ろうという大胆なものでした(笑い)。

結局、当社の工場が以前あった場所が現在は公園になっているので、そこに遊具を寄贈することになりました。遊具会社に直接お願いに行きデザインや製造工程も見学し、町内会の人たちとも話し合いを重ね完成したものです。われわれの一方的な思いではなく、地域の人たちの様々な願いを反映させることができました。

斉藤さんのテーマ曲についても、食卓の小さな幸せにつながるような曲があればいいねという社員の発想から始まりました。斉藤さんの歌にある日常の情景や温かみが、われわれの思いにマッチングすると感じて依頼しました。私たちがこれまで発刊した本を読んでいただき、歴史を知ってもらい、共感してもらえたことが大変うれしかったです。

このように一つ一つのことに対し、時間をかけ取り組みました。すぐにできないこともあったので、100周年にかかわる活動はあと1年ほど続きます。

――まだ続くのですね。それは楽しみです。

(続きは11月28日付本紙5面に)

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