冷食の最高峰「Z’s MENU」 百貨店・専門業態で好調 女性向け新ブランド投入も

“最高峰の冷凍食品”と銘打った「Z’s MENU(ジーズメニュー)」ブランドが存在感を高めている。プロデュースするのはSL Creations。最上級の食材を贅沢に使用しており、導入された百貨店・専門業態では「リブロースステーキ」など3千円台の高価格帯商品も販売好調だ。2023年春には、新ブランド「Wise days」を発売予定。「Z’s MENU」とは異なるコンセプトを掲げ、働く若年女性のニーズ獲得を狙う。

「Z’s MENU」は20年4月、同社が一般流通向けの販売を本格始動させるタイミングで上市。創業50周年を迎えるに当たり、宅配・通販で提供し続けてきた冷凍食品の地位向上に貢献したいとの想いもあった。

商品開発部の釜智史課長によると、メニューは百貨店で売れ筋のデリカから選定。ペルソナ分析をもとに、ターゲットは都内タワーマンションに一人暮らしの60~70代女性、会社経営者で独身の40~50代男性などとし、簡便調理で1人前の食べ切りサイズを中心に設計、高級食材を使った最高峰のおいしさを目指した。

肉類(鶏・豚・牛)はすべて独自のプログラムで育成した「4X(フォーエックス) MEAT」を使用している。魚介類は厳選した天然ものや養殖もの、野菜は産地・履歴が明確なものにこだわった。メニュー開発には食のプロとして著名なSmile Circle・岩城紀子代表取締役の協力を得ている。また、独自の考えに基づき安全・安心・おいしさを追求する中で、かねてよりOEM製造を通じ食品メーカー約200社と積み上げてきた技術力や信頼関係が生かされたという。

第1弾は約30品を発売。現在は和・洋・中料理からアジア料理まで約60品をラインアップする。「グラタン好きのためのシーフードグラタン」(税込1千500円)、「リブロースステーキ オニオンソースを添えて」(同3千200円)、「京風カレーうどん」(同980円)といった人気商品に加えて、「七福てんぷら」(同1千900円)、「明洞で食べた参鶏湯」(同3千100円)なども揃える。

当初は自社の宅配・通販事業などのほか、店舗販売は兵庫・芦屋と東京・六本木の「グランドフードホール」(Smile Circle社)でのみ展開していた。その後、21年5月に阪急百貨店阪急うめだ本店、22年8月にイオンスタイル新浦安MONA、松屋銀座でそれぞれ販売がスタート。店頭ではPOPを使って原材料へのこだわりをアピールするなど売り方に工夫が見られる。釜課長は「各店舗ともSKUを多数取り扱っていただいた効果があり順調な売れ行き。最近は東阪以外の小売業からお声掛けいただくことも多い。ブランドイメージを大切にしながら着実に広げていければ」と展望する。

「Wise days トムカーガイ」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「Wise days トムカーガイ」

一方、23年2~3月にかけて、新たに「Wise days」ブランドを投入する。メーンターゲットは20代後半~30代の独身女性。「あなたの毎日の賢いライフスタイルをお手伝い」をキャッチコピーに、「目新しさ」「時短調理」「満足感」「デザイン」にこだわって開発した。ラインアップは12品で、いずれも国産の春雨を使用。天日干しで作られたモチモチ食感が特長だ。スープは各国・地域の味わいをアレンジ。日本の海鮮レモン鍋「牡蠣レモン」、韓国のスペアリブ入りじゃがいもスープ「カムジャタン」、タイのココナッツミルク鍋「トムカーガイ」、フランスの海鮮寄せ鍋「ブイヤベース」、シンガポールのスパイシーヌードル「ラクサ」、中国の白菜鍋「ピェンロー」などをイメージして仕上げた。SDGsを想起させる紙素材の容器付きで、電子レンジのみの簡便調理。また、パッケージは斬新なモノトーン調を採用。思わず友だちに発信したくなるようなオシャレなデザインを目指した。想定価格は約1千円。