迫る24年問題 「運べない危機」回避へデジタル化を促進 日本外食品流通協会

日本外食品流通協会(外食協)は9日、東京都千代田区で令和4年度秋季講演会を開催。目前に迫る2024年問題や伝票電子化など、現状の物流課題と危機意識を会員企業と共有した。

第1講演では、農林水産省大臣官房新事業・食品産業部食品流通課長の武田裕紀氏が「協調領域としての物流課題解決の取組について」と題して講演した。

21年6月の「総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)」閣議決定に先んじて同年2月にアクションプランを策定した加工食品分野は、「物流標準化において他の業界が背中を追う長子」と高く評価。「賞味期限1/2ルール」の一斉一律導入や「リードタイムの延長」など、「製配販それぞれが少しずつ妥協をしながら、協調領域として取り組むことが重要」と訴えた。

その上で、行政が取り組む一丁目一番地は「手荷役を『減らす』のではなく『無くす』ためのパレチゼーションへの対応」だとし、物流課題解決の先にある将来像として、欧州が先行して取り組む「フィジカルインターネット」を提示した。

デジタルロジスティクス推進協議会事務局の検崎朴郎氏が講師を務めた第2講演「納品伝票電子化への取組について」では、印刷・仕分け・目視照合など、紙伝票の利用で費やされる工数の多さを可視化し、電子化の合理性を明示。

「物流情報のデジタル化は『運べなくなる危機』に対する解決策の一つ」であり、「納品伝票エコシステムの社会実装へ本格的に活動していきたい」と力を込めた。

講演会終了後の情報交流会では、小田英三外食協会長があいさつし、「物流の合理化・デジタル化に向けて盛り上げていってほしい」と会員たちに呼びかけた。