ヤマサ醤油 滋賀竜王工場新設 西日本初の生産拠点

ヤマサ醤油は西日本エリア初の生産拠点として、滋賀県竜王町に滋賀竜王工場を新設する。

千葉県の銚子工場と成田工場で醤油やその他の製品を生産してきたが、西日本エリアでの需要が増加したことを受け、生産能力を高めるため同エリアに新たな生産拠点を構える。輸送によるCO2排出量の削減、環境にやさしい新たな物流の創出も目指す。投資金額は土地代を含め約68億円。2023年8月から稼働を開始する予定。

新工場は「顧客ニーズの変化に対応した、多品種、高歩留生産、効率化したつゆ・たれ類製造の工場」をコンセプトとし、顧客の多様なニーズに迅速に対応する。

製造設備は製造量に関わらず収率の低下を最小限にとどめるように設計。多品種、高効率生産体制を整え、顧客ニーズに応える。自工場抽出による風味原料を使った高品質な調味液を製造できる設備、高粘度の原料を撹拌(かくはん)混合できる設備、固形物が多い内容物を生産できる設備を備え、多様なタイプの調味液製造に対応する。

FSSC22000認証取得を前提にHACCPを用いた衛生管理を行い、原料・資材の受け入れから製品の一時納品先までのロットトレースを可能とするなど、高度な品質管理を実現する。

排出基準に合致した排水処理設備を設置するほか、稼働時の振動や騒音を管理し近隣地域の環境との調和を図る。重量物取り扱い設備や各種搬送設備など、工場内での作業者の安全を考慮したレイアウトを採用。作業者が行う各種操作におけるヒューマンエラー対策も施す。従業員に優しい工場も目指す。

滋賀竜王工場の所在地は滋賀県蒲生郡竜王町大字岡屋2831番4。敷地面積2万4千624㎡(平地部分)、建物構造は鉄骨造り3階建て。醤油の醸造設備は設けず、各種醤油・つゆ・たれ類を生産する。生産能力は約6千㎘、従業員数約60人。22年5月に着工済みで、23年6月に竣工する予定。