豆乳は一般的に大豆からおからを取り除いた飲料であるのに対し、大塚食品の「スゴイダイズ」はおからを取り除かず大豆をそのまままるごと粉末(大豆粉)にした大豆飲料。
大豆たんぱくや大豆イソフラボンが摂取できる豆乳の機能価値に加えて、豆乳にはほとんど含まれない食物繊維も摂れるのが特徴となっている。
この特徴的な中身は、原料を微粉砕化・均質化し、よりなめらかな口当たりの飲料に仕上げる大塚独自の「マイクロクリーミー製法」によって実現。
同製法では、素材をまるごと使用し素材の栄養はそのままに製造工程では搾りかすも出ないことから地球環境にもやさしい製法と言える。
健康と環境意識の高まりから、アーモンドミルクやオーツミルクなどの植物性飲料市場が活性化していることを背景に、大塚食品は今年、同製法を活用して「スゴイダイズ」の領域を拡大。
4月にまるごとオーツ麦飲料「スゴイオーツミルク」とまるごとひよこ豆飲料「スゴイひよこミルク」の2品を新発売した。
取材に応じた子安(こやす)寛子製品部大豆飲料担当PMは「植物性飲料への関心が非常に高まっていることを受けて、我々も新しい価値を提供していきたいと考え『スゴイダイズ』ブランドを中心に据えた『大塚の素材まるごとスゴイシリーズ』を立ち上げた」と説明する。
同シリーズでは“素材をまるごと使用”の方針を一貫。
「スゴイオーツミルク」と「スゴイひよこミルク」の2品にもマイクロクリーミー製法を導入し、原材料は「スゴイオーツミルク」がオーツ麦のみ、「スゴイひよこミルク」がひよこ豆のみとなっている。
これにより「スゴイオーツミルク」は、摂取できる栄養成分として食物繊維を謳っているオーツミルク商品が多くある中で、鉄分が摂れることと低脂質であることをパッケージで訴求している。
一方、「スゴイひよこミルク」もひよこ豆を素材にした点で市場でもまだ非常に珍しい存在で、たんぱく質・食物繊維・葉酸が摂れることをパッケージで謳っている。
「大豆に代わるものとして、植物素材でありながら、たんぱく質が摂れる素材を探してきた。大豆(豆乳)でたんぱく質が摂りたくても風味が苦手や、アレルギーなどで飲めない方もいる。そうした中で、ひよこ豆は次世代のたんぱく源として注目されている素材」と語る。
2品とも濃厚な味わいであることから「スゴイダイズ」の旗艦商品「オリジナル」と同様の125mlのサイズで展開されている。
「現在、安定的に販売は推移している。植物性飲料のニーズが拡大している中で、食資源を無駄にせず環境にもやさしい“素材をまるごと使用”をアピールして育成していきたい」と意欲をのぞかせる。