トーホーは10月31日開催の取締役会で、連結子会社で食品スーパー事業のトーホーストア(34店舗、年商176億円)の全株式を、関西や中部で食品スーパーを運営するコノミヤ(103店舗、年商1千300億円)への譲渡を決議した。23年2~3月に株式譲渡を予定している。
トーホーストアは1963年に神戸市に出店して以来、兵庫県南部を中心に最盛期は最大69店舗を展開し、グループ内売上構成比は約40%あったが、以降競争激化の影響を受けて売上減少傾向が続き、22年1月期は売上高175億6千800万円とグループ内売上構成比は9.3%までに縮小し、経常利益は3億7千900万円の赤字と7期連続の損失だった。
トーホーストアの株式は、親会社のトーホーが92.8%を所有、7.2%は岐阜のバローホールディングスが有している。トーホーがバローから買い取り、100%としてコノミヤに譲渡する予定。
トーホーストアとバロー(現バローホールディングス)は2015年5月に資本業務提携し、当時バローはトーホーストア株式の20%を有していた。今回の株式売却で資本提携は解消されるが、業務提携は「今後の協議課題」(トーホー)としている。
今回の譲渡に当たっては、バローやその他企業も含めて協議し、最終的にコノミヤに至った。
コノミヤ(大阪市)は積極的にM&Aを展開しており、2011年に名古屋のハローフーヅ(25店舗)を買収し東海地区に進出すると、15年に岐阜県のフードセンター富田屋(22店舗)を取得し、グループ売上高1千億円を突破した。最近では20年に奈良県のスーパーおくやま(6店舗)をM&Aで取得したほか、21年には第一次産業の香川県の牧場をM&Aしている。
22年7月に開催したコノミヤ会総会で、コノミヤの芋縄隆史社長は「これからは1~3次産業すべてを対象にグループ化し、さらに強いコノミヤを作っていきたい」と述べていた。