ラジオ体操は肩甲骨と脊柱の連動性に着目する 高血圧予防のための「時短かんたんエクササイズ」とは?

 高血圧予防には生活習慣の改善や減塩ほか運動習慣も有効となる。

 順天堂大学大学院の谷本道哉スポーツ健康科学研究科先任准教授は10月7日、ノバルティスファーマーと大塚製薬が開催した高血圧メディアセミナーで「高血圧予防のための時時短かんたんエクササイズ」と題した講演を行い、谷本氏が考案した超ラジオ体操・筋トレ・有酸素運動を紹介した。

 超ラジオ体操は、快適に動ける体づくりを目的に「早く適当にやりがちなラジオ体操を物凄く丁寧に行う」ことを推奨する。

 中でも注目すべきは“背骨まわり”で「肩甲骨と脊柱の連動性に着目する。肩をグーンと引くと胸が物凄く張れて背骨が伸展する。逆に肩をグーンと前に出すと背中が丸まり巻き肩というよくない状態になる。こういった動きを織り交ぜながら、すごくよく動く体操をしていく」と説明する。

「短かんたんエクササイズ」を実演する順天堂大学大学院の谷本道哉スポーツ健康科学研究科先任准教授(左)と国際医療福祉大学大学院の下澤達雄医学研究科臨床検査医学教授 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「短かんたんエクササイズ」を実演する順天堂大学大学院の谷本道哉スポーツ健康科学研究科先任准教授(左)と国際医療福祉大学大学院の下澤達雄医学研究科臨床検査医学教授

 筋トレの必要性については、加齢により筋肉が落ちると活動量が減り、これに伴い血圧が上がっていくことを理由に挙げる。

 特に「大事な筋肉ほどよく落ちる。老いは足元からやってくる」とし、加齢に伴い太もも前面にある筋肉(大腿四頭筋)が筋断面積・筋細胞数ともに60歳代から急激に減少すると指摘する。

 筋トレでは、若齢期で太もも前面にある筋肉の多く占める速筋を重視する。
 「速筋と遅筋の2つがあり、加齢により速筋が物凄く落ち、速筋が遅筋に変わることもあるので、とにかく速筋の萎縮を抑えるべき。速筋は強い力をかけたときにようやく動員される筋肉のため、持久運動の低強度運動では速筋は動員されにくい」と語る。

 この考えのもと、筋トレではスクワットなどを推奨するが「一番大事なのは大きく動作をすること」という。

 腕立て伏せもテーブルなどを利用して深く下ろし切るなど動作範囲を広くすることで負荷強度は下がる一方、仕事量(代謝的負荷)は上がる。

 「筋トレも高負荷でりきんで重たいものを上げるというような筋トレは血管にはあまり望ましくない。スロートレーニングで、それほど重くないものでしっかり丁寧に追い込むというようなやり方をすると動脈は伸展性が上がる。乳酸がたくさん出て、血管拡張作用がある」と述べる。

 筋トレそのものについては「何歳からでも大きく発展する」と呼びかける。

 持久運動についても強度を重視。
 「持久運動は“する”というよりも“して強くなる”ことが大事。1日の歩数だけではなく、しっかり早く歩いて強くなることを考えてほしい」と訴える。

 日常の歩行では “しっかり腕振り歩き”を推奨。
 「一番簡単にできるのは、腕を振ること。腕を振ると足の蹴りが反作用で強くなる。腕をしっかり振れば振るほど歩くのが早くなるのでこれを実践していただきたい」とし、通勤時はカバンだと腕が振りにくくなることからリックサックを背負うことを勧める。

 国際医療福祉大学大学院の下澤達雄医学研究科臨床検査医学教授は、高血圧の主因に肥満、次いで塩分の摂りすぎを挙げ「若いうちから気にしないといけない。生涯を通じて生活習慣の改善と減塩していくことが大事」と語る。

なお、世界の死因の第一位は心疾患病(出典:OurWorldInData.org/causes-of-death・CC BY)で、日本の脳心血管病による死亡数で一番多い危険因子は高血圧(出典:PLoSMed2012;9:e1001160)とされる。

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