2月期決算主要量販の第2四半期業績は、対前年比という視点では既存店売上高が伸び悩むなか、水道光熱費の大幅増などを受け、営業利益は二ケタ減益という結果となった。ヨークベニマルが二ケタ増収二ケタ増益となっているが、これは惣菜子会社の旧ライフフーズを吸収合併したことによるもので、同要因を除いた前年比は売上高3・5%減、営業利益12.8%減。
今第2四半期は各社とも既存店が前年割れとなったが、「既存店売上高は前年比98.7%。コロナ前2019年度比では105.3%ということなので、引き続き高いレベルを保っている。新店が当初計画を上回り好調に推移していることもあり、全社売上高(収益認識基準適用前比較)は増収」(岩崎高治ライフコーポレーション社長)との評価。
一方、マルエツは客数については既存店の来店頻度が減少したこと、新規顧客が離反顧客を下回ったこと、客単価については値上げラッシュなども背景に、既存顧客の買上点数が減少(前年比96.5%)したことなどを挙げた上で、生活コスト上昇で価格コンシャスが強まるなか、競合に対して「価格と商品価値のコスト・パフォーマンス」で負けていたと総括している。
利益については、電気料金を中心とする水道光熱費の上昇が大きく影響した。水道光熱費に関しては、ライフが38.9%増、U.S.M.H(マルエツ、カスミほか)28%増、アークス28.4%増、ヨークベニマル53.1%増(旧ライフフーズ分含めた前年比)など。
下期も加工食品などの値上げが続き、水道光熱費のさらなる上昇も予想される。当面、収益両面で厳しい環境が続く見通しだが、「単なる安売り競争に巻き込まれないようにする。価格を打ち出す商品には対応するが、価格一辺倒ではない。高価格帯のニーズも高まっている。健康系は価格が高くても好調」「上期は生鮮部門を中心に物価上昇に抗えず、家計のやり繰りに貢献することができなかった。下期はコモディティの商品について価格体系をもう一度見直す一方、その原資とすべく付加価値商品の拡大、PB売上構成比を上げることで支持回復を狙う」といったように、価格感度の高い商品の競争力回復を打ち出す一方、PBを含めた高付加価値商品の売り込み強化などにより、下期での巻き返しを図る考えだ。