空き容器を下から投入して異物混入を防ぐ新機能リサイクルボックス キリンビバレッジが年内に1000台設置

 キリンビバレッジは、空き容器を下から投入して異物混入を防ぐ新機能リサイクルボックスを年内に1000台設置して使用済みペットボトル(PET)を再びPETにする「ボトルtoボトル」水平リサイクルを推進していく。

 新機能リサイクルボックスは、清涼飲料水の業界団体である全国清涼飲料連合会(全清飲)と日本自動販売協会(JAMA)が業界統一仕様として考案したもので、異物混入阻止を目的に使用済みPETなど空き容器の投入口が下向きになっているのが特徴となっている。

 リサイクルボックスは、自販機で販売した飲料の空き容器を回収する目的で設置されているが、全清飲が2018年12月に実施いた調査によると、空き容器以外の異物の混入が約3割を占めており、本来回収するべき空き容器が入らず散乱の原因になっている。

 このことが空き容器回収業務や処理費用の負担増だけでなく、容器リサイクルの大きな障壁となっている。

 飲料業界では「2030年ペットボトル100%有効利用」「2030年ボトルtoボトル比率50%以上」を目指すことを宣言しており、この目標の達成に向けては、リサイクルボックスで回収されるPETの品質向上などが課題となっている。

 飲料業界は、これらの課題の解決に向けて、異物混入を削減するリサイクルボックスの形状などの開発を行い20年に東京都渋谷区、21年に静岡県浜松市、愛知県岡崎市、三重県津市、広島県広島市にて実証実験を実施。

 この結果、異物混入の割合として約3割から5割の削減効果が確認でき、これらの実証実験による削減効果を受け21年の実証実験モデルに改良を加えて開発されたのが業界統一仕様の新機能リサイクルボックスとなる。

既存の屋外ロケーションで旧リサイクルボックス(上)を新機能リサイクルボックスに差し替えて1000台設置していく - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
既存の屋外ロケーションで旧リサイクルボックス(上)を新機能リサイクルボックスに差し替えて1000台設置していく

 キリンビバレッジは全清飲とJAMAの方針に賛同し10月から導入開始。

 12月にかけて国内各エリアで自販機による飲料の販売を行っている子会社が管理する自販機横のリサイクルボックスのうち特に異物混入が多い既存の屋外ロケーションで新機能リサイクルボックスを1000台設置し、使用済みPETを確実に回収することとその品質向上を目指していく。

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