イオン上期、過去最高益を更新  GMS事業の収益構造改革などが奏功 水道光熱費の上昇を売上回復と販管費のコントロールで吸収

 イオンの上期(23年2月期)連結業績は、営業収益・営業利益・経常利益の全ての段階利益がコロナ前の19年上期の水準を上回り過去最高益を更新した。

 その要因について、5日決算説明会に臨んだ吉田昭夫社長は「限られた事業のみが利益を上げるのではなく、事業ポートフォリオのバランス、営業利益構成の変革に取り組んできた成果であると考えている」と説明した。

 ポートフォリオについては、国内の成長領域であるヘルス&ウェルネス事業の推進やアセアン地域での事業拡大により、グループ全体の営業利益に占める小売の構成比は19年上期と比べ19ポイント上昇し41%となった。

 GMS(総合スーパー)事業については、電気代の単価が前年同期比で約30%以上上昇し水道光熱費は250億円弱の増加となったものの、売上回復と販管費のコントロールで吸収。
 販管費のコントロールは「店頭やバックオフィスの節電をはじめ、エネルギー効率の高い省エネ機器への切り替えを進めたこと、また進めていたレジ周りや店舗作業のデジタル導入を進めて計画内に収めた」。

 イオンリテールでは販管費削減に加えて、AI活用による業務効率化や在庫コントロールによる粗利改善に取り組み「営業利益は実質ベースで前年同期との比較で112億円改善した」。

 イオンの上期連結業績は、営業収益約4兆4871億円(前年同期比3.3%増)、営業利益約958億円(前年同期より約181億円の増益)、経常利益約953億円(前年同期より約173億円の増益)と、いずれも過去最高を更新。四半期純利益は、前年同期比約4倍の約180億円となった。