清酒「獺祭」が約115万円で落札 NYオークションハウスで日本酒初となる出品・落札  旭酒造

清酒「獺祭」醸造元の旭酒造(山口県岩国市)は、米国・ニューヨークのオークションハウス、サザビーズに山田錦コンテストの優勝米で仕込んだ「獺祭 最高を超える山田錦2021年度優勝米DASSAI Beyond the Beyond 2022」を1本出品し最終価格8千125ドル(約115万円)で落札された。

サザビーズNYによると、ニューヨークのオークションハウスで日本酒が出品・落札されたのは初めてという。一昨年に香港のサザビーズで取り引きされた「獺祭 最高を超える山田錦2019年優勝米」の約84万円(当時)を上回る結果となった。

桜井一宏社長は「われわれの新たな挑戦に対し、とんでもない落札金額が付いたことに興奮している。サザビーズへの出品は容易でなく、現地で『獺祭』の認知度があってこそ。自社ブランドのみならず、日本酒そのものに対する新しい注目を集めるキッカケになる」とコメントを寄せた。

今回の出品酒は、自社で主催し3回目となる山田錦の品質コンテストで優勝した酒米を使用。独自基準で超高精白に適しているかを重視して審査した。新たにコメ中心部の心白を「中心に小さくしっかり」という基準に変えたことがポイント。グランプリは岡山県の高田農産で、旭酒造が60俵を3千万円(1俵50万円)で購入。最高品質の「DASSAI Beyond the Beyond 2022」を醸した。

出来上がった酒質は、これまで以上に透き通った味わいと華やかさ、細部まで繊細に感じるきれいな甘みとふくらみが特長。また、保存にはテクニカン社による最先端の冷凍技術を用い、搾りたてのフレッシュさをキープ。ボトルの素材は冷凍に耐え得るSUS社のチタンを採用した。漆塗りのキャップは著名な伊藤猛氏(まる又漆器店)の手によるもの。