キーコーヒーが昨年9月に販売開始した「京都イノダコーヒ」ブランドが好調に推移し、今秋冬に向けてラインアップを拡充した。
昨年9月に先行発売したレギュラーコーヒー2品「京都イノダコーヒ オリジナルブレンド」(180g粉)と「同モカブレンド」(同)は計画比110%以上で推移。
今年3月に発売開始したドリップコーヒー「ドリップ オン」シリーズ・リキッドコーヒー・有機コーヒーの計6品も順調に推移している。
「京都イノダコーヒ」ブランドの好調要因について、8月3日発表した田中正登志R&Dグループグループリーダーは、値ごろ感を訴求する価格優位性の商品に比べて離反が少なくリピーターが多い点を挙げる。
「ブランドや品質をご納得いただいてご購入を続けて下さっているところをみると、品質重視層・嗜好購買層にしっかり下支えされている」とみている。
このような見方から、さらなるラインアップの拡充にあたっては、レギュラーコーヒーの豆カテゴリーに着目して品質重視層・嗜好購買層のニーズを深掘りしていく。
9月1日に「こだわりのオリジナルブレンド」「こだわりのモカブレンド」「有機珈琲 古都の味わいブレンド」の豆3品を新発売した。
新商品の開発にあたり、小笹明子R&Dグループ設計第一チームリーダーは、近年の豆市場の高い伸び率に着目。インテージSRI+データによると、豆カテゴリーは19年まで微増で推移していたのが20年に25.1%増、21年に19.9%増となり2年連続で二ケタ増を記録した。
これを受け小笹チームリーダーは「豆カテゴリーは20年にコロナ禍による巣ごもり需要で大幅伸長し、その後も売上げを落とすことなく伸長している。家庭用ミルの販売も伸びていることから、ご家庭で豆を挽くことからしっかり楽しみたいニーズにまだまだ伸び代がある」との見方を示す。
豆3品のパッケージは粉商品とは一線を画し白を基調としている。
その狙いについては「粉はイノダコーヒに接するのが初めてという生活者が多いことから、イノダコーヒ店舗の写真をメインビジュアルとし喫茶店であることをわかりやすく訴求しているが、豆商品は本格志向の強いコーヒーに向けてデザインの要素を削ぎ落し、おいしさをシンプルにお伝えするようにした」と説明する。
パッケージに高いバイオマス度の新たな環境配慮素材を採用した点も特徴で、今回の豆3品を皮切りに全ての豆商品への導入を予定している。
ブランドの認知拡大に向けては「さまざまな取り組みを現在計画している」とし、昨年からの取り組みとして店頭モニターを設置していくほか、新たに専用什器を製作し8月から順次導入している。試飲販売も予定し喫茶文化との接点も創出していく。