メルシャンがコンサル事業を開始 知見生かし新興ワイナリー支援 「日本を世界の銘醸地に」

メルシャンは、ワイン造りのコンサルティング事業を開始する。「シャトー・メルシャン」での知見を生かし、スタートアップワイナリーにブドウ栽培や醸造の技術を指導。日本ワイン産業の持続的な成長に向けたパイプラインとなることを目指す。

長林道生社長は14日の発表会で「創業から145年。ワイン市場全体を活性化させていきたいという思いで取り組んでいる。創業時から引き継ぐDNAと言っても過言ではない。日本全体がワイン産地として認められなければ、日本ワインの将来はない」と強調。

醸造技術に関する情報を無償で公開した元メルシャン勝沼ワイナリー(現シャトー・メルシャン)工場長・浅井昭吾氏の精神を引き継ぎ、全国のワイナリーの支援を通じて日本を世界の銘醸地にしたい考えを長林氏は示した。

日本のワイナリーは大多数が中小企業で低収益。とくに新規ワイナリーの多くは規模・収益とも小さいうえ、国内にはワイン造りを系統的に学べる場所が少ない。

同社が掲げる「日本を世界の銘醸地に」とのビジョンに共感するワイナリーを対象に、豊富な経験をもつ同社の社員やOBがコンサルティングを行う。

ブドウ栽培やワインの醸造について、現地を視察しながら各ワイナリーが目指すワイン造りの方向性に沿ってアドバイス。オンラインでも質問や相談に応じる。

すでに昨年から、東北の4ワイナリーで試験的にコンサルティングを実施。「ノウハウだけでなく、ワイン造りへの情熱や姿勢を学べた」「収穫時期の判断、ブドウのポテンシャルに応じた醸造方法など、状況に即したコンサルティングで学びが多い」といった反響が寄せられたという。

シャトー・メルシャンゼネラル・マネージャー安蔵光弘氏の半生を描いた映画「シグナチャー~日本を世界の銘醸地に~」も、国際映画祭で続々と受賞するなど海外で高い評価を獲得している。ビジョンの実現に向けて国内ワイナリーと二人三脚で取り組み、日本ワインの市場規模を30年までに現在の2倍とする計画だ。

北大西洋の豊かな海が育むアイリッシュシーフード 8月5日はパン粉の日