アピ 連続で売上最高更新 健食、医薬事業が成長

健康食品、医薬品など健康総合受託メーカーのアピ(岐阜県岐阜市、野々垣孝彦社長)は2日、アピ本社で決算発表を行った。前期業績は、売上高2.9%増(378億3千700万円)、経常利益は15億円と減益の見込み。主力事業の健康食品、医薬品で実績を伸ばし、売上高は2年連続で過去最高値を更新したが、150%増となった光熱費や原料・資材高が収益を圧迫した。

セグメント別の業績は次の通り。蜂蜜0.5%減(19億5千万円)、健康食品3.1%増(269億5千400万円)、機能性食品原料35.5%減(1億5千100万円)、医薬品3%増(74億5千600万円)、化粧品31%減(4千900万円)、アグリビジネス4.2%増(7億5千200万円)、その他29.6%増(5億2千500万円)。

今期計画は売上高12.1%増(424億800万円)、経常利益13億9千100万円を見込んでおり、健康食品や医薬品事業を中心に26億2千800万円の設備投資を予定している。

前期の着地については健康食品、医薬品ともに営業活動の成果として新規取引が拡大したものの、収益面では副原料、資材光熱費などの諸コスト高で減益となった。

野々垣社長は会見で市場環境や今期および中期経営計画について説明した。

健康食品市場については「青汁、核酸、ブルーベリー原料の製品化例が増加し消費者の選択肢が増えたが、市場は微増の成長にとどまっている。総合的に顧客のニーズと市場の要求をマッチングできる『API’s ODM』『API’s CF』などの機能をより強く提案し、ヘルスソリューションビジネスを成長させたい」としていた。

現在強化している機能性食品原料については「プラントベース食品、ハラル食品などへの関心が高まり、アレルゲンフリー食品へもシフトしようとしている。加水分解や糖化装置の活用でオーツ麦、雑穀類に新たな機能を付加した原料を販売しているが、これらの原料はSDGsの切り口でも顧客と連携できる事例が増えている」と述べた。

また医薬品事業は今期も二ケタ増の見込み。バイオ事業も受注が増加している。

中期経営計画ではグループ売上高500億円、経常利益率10%を掲げているが、「売上については見えてきたが、この環境変化で収益性の確保が難しくなっている」とし、今期は「変化に挑戦 確かな一歩で未来をつかむ」をスローガンに全社で収益改善を推進する方針。

なお、設備投資では前期は揖斐川工場に「アピパートナー障害者施設」を設置、今期は本社にも設置し障がい者雇用に積極的に取り組む。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)