ファン投票で選ばれた「昔の喫茶店で親しまれていたコーヒー」を再現 劇的に変化する飲用シーンで共感に着目 キーコーヒー

 キーコーヒーは、同社コミュニティサイト「Coffee Fan Club」のファン投票で選ばれた“昔の喫茶店で親しまれていたコーヒーの味わい”を再現しパッケージに「期間限定」と大きくあしらったドリップコーヒー「ドリップオン」とインスタントコーヒーを9月1日に新発売した。

 8月3日発表した田中正登志R&Dグループグループリーダーは、“お客様からの共感”を開発テーマに掲げ「飲用シーンが劇的に変化する中で、どのような商品であれば共感が得られるのかを改めて見つめ直した」と語る。

 飲用シーンの劇的な変化とは、コロナ禍の外出自粛やリモートワーク普及によって、これまで職場で日中過ごしていた人が家庭内で過ごすようになるといったようなことが挙げられる。

 これは「コロナ前には無かった飲用シーン」とし、ここに対応した商品として共感というテーマを具現化すべく、今回、コーヒーファンが飲みたいと思うコーヒーを期間限定で販売する。

本吉眞紀R&Dグループ設計第二チームリーダー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
本吉眞紀R&Dグループ設計第二チームリーダー

 ファンが飲みたいと思うものを商品化した理由について、本吉眞紀R&Dグループ設計第二チームリーダーはSNSによる企業と生活者の関係性の変化を指摘する。
「企業が生活者に一方的に伝えていく従来のやり方から、今は企業と生活者が双方に信頼し共感される関係性に大きく変わってきている」と述べる。

 この考えから、商品開発には昨年4月6日に立ち上げた「Coffee Fan Club」を活用。「Coffee Fan Club」登録者約2万人に、いくつかのコンセプトの中から“飲みたいコーヒー”の投票を呼びかけたところ、レギュラーコーヒーに関しては「復刻、レトロというコンセプトに魅力を感じていただいた結果になった」。

 復刻やレトロは、幅広い層に受け入れられた点も特徴で「(若年層からは)喫茶ブームや昭和レトロブームで復刻に好印象を持たれている一方、40代以上の比較的年齢層の高い方からは“昔懐かしい”“昔訪れた喫茶店を思い出した”という理由で支持され、幅広い年齢層にこのコンセプトが受け入れられている」と述べる。

 「ドリップ オン 期間限定 10P ~復刻ブレンド~」は、これに期間限定の要素を組み合わせて、新規性や特別感を打ち出した商品名・パッケージデザインを採用した。

 同商品の味わいは“昔の喫茶店で親しまれていたコーヒーの味わい”を再現すべく、キーコーヒーが1980年代の喫茶店最盛期にコーヒー専門店や高級レストラン向けに提供していたレシピ(ブレンドと焙煎)を参考にした。

 コーヒー生豆生産国の環境変化を加味して若干のアレンジを加えつつも、1980年代のブレンド配合や焙煎方法をもとに設計されている。

「インスタントコーヒー 期間限定」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「インスタントコーヒー 期間限定」

 一方、「インスタントコーヒー 期間限定」はインスタントコーヒーユーザー向けの設問で浮上した“やる気を出したい時にぴったりな心地のよい苦みのインスタントコーヒー”を志向。
味わいはやや深煎りに仕上げたベトナム産100%のコーヒーを使用し心地のよい苦味が特徴となっている。

 パッケージデザインは「ドリップオン 期間限定」と統一し、2品ともアイコンで「ファンと選んだ」「期間限定」商品であることを訴求しつつ、 秋冬らしい暖かみのある色合いを基調としている。

 ビン80gと袋60gをラインアップし、環境課題への取り組みの一つとして、ビンのラベルには植物油を含んだ印刷インキを、袋タイプには生物由来の資源(バイオマス) を使用している。

 なお「Coffee Fan Club」は、キーコーヒーとコーヒー好きな生活者がコーヒーに関するさまざまなトピックについて話し合うコミュニティサイトで、6月末現在で、累計登録人数2万3489人、投稿数6万6698件、拍手数(いいね数)120万5070件と日々コーヒーに関する活発な意見交換が行われている。

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