支持広がるアイリッシュ グラスフェッドビーフ 生産回復で供給安定化 対日輸出量の急拡大続く【PR】

赤身肉のおいしさと健康性、そしてサステナブルな生産方法が支持され、日本でも人気の高まるグラスフェッドビーフ(牧草肥育牛)。欧州の西端に位置する島国でありながら、食料の一大生産国として知られるアイルランドでは、日本向けの牛肉輸出拡大に近年力を入れている。

食品・飲料の国内外での販売を促進するアイルランド政府食糧庁Bord Bia(ボード・ビア)のジョー・ムーア氏によれば、アイリッシュ グラスフェッドビーフの今年これまでの処理加工頭数は前年同期比約12%増と堅調拡大。年間では前年比9万頭増の約77万頭と、昨年度を上回る供給量が見込まれている。

「新型コロナの感染状況が落ち着きをみせ、生産が回復しつつあることが主な要因。需要が回復するなかで農家が努力した成果が見えてきた。穀物飼料はこのところ高騰が進んでいるが、アイリッシュ グラスフェッドビーフは牧草肥育のため、飼料コストは比較的安定していることも背景にある」。ムーア氏は説明する。

細かい要望にも対応 日本市場のニーズとマッチ

対日輸出はアイルランド産食品全般で拡大中。なかでも牛肉は日EU経済連携協定(EPA)が発効した19年以降に急増しており、今年も4月までの累計で前年同期の約3.5倍というハイペースが続く。

ジョー・ムーア氏(アイルランド政府食糧庁Bord Bia(ボード・ビア)) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
ジョー・ムーア氏(アイルランド政府食糧庁Bord Bia(ボード・ビア))

「アイルランドにとって、日本は重要なマーケットだ」と強調するムーア氏。「この結果をみて驚くのは、コロナ禍を経てもこれほど需要が増えているということ。大きな理由のひとつは、アイリッシュ グラスフェッドビーフが日本側のニーズとよくマッチしていることだと思う。サプライヤーは細かいご要望に応じたカットやスペックにも対応が可能。またサステナブルな品質への支持も高まっている」。

昨年からは、牧草による飼育に関する全国レベルの新基準、アイルランド・グラスフェッド基準を導入。飼料のうち牧草の占める割合が90%、野外放牧が年間平均220日などの基準を第三者独立機関の監査でクリアした牛肉のみに、これを証明するロゴマークの使用が認められる。新基準による認証を受けたビーフは、日本でも数か月以内に提供がスタートする見通し。

EUと共同プロモーション 3年ぶり現地ツアーも

日本向けに輸出されるのは大半が冷凍品だが、昨年にグルメサイト「ヒトサラ」と協力して実施したチルドビーフのレストランフェアは大好評。日本のシェフからも品質や扱いやすさを高く評価されるなど、アイリッシュ グラスフェッドビーフへの関心の高まりに手ごたえを感じたという。

ボード・ビアではEUの協力を得て、今年から3年間にわたるヨーロピアン ビーフ&ラムのプロモーションに参加。FOODEXへの出展のほか、年2回のトレード向けセミナーやシェフ向けのイベントを実施する。日本の顧客を招待したアイルランドの視察ツアーも3年ぶりに行う計画だ。さらに11月29日の「いい肉の日」を皮切りとしたキャンペーンを企画中。大手百貨店でのプロモーションも予定している。

「この数年で輸出が力強く拡大しており、日本のお客様には大変感謝している。これからもさまざまな良い関係を作っていきたい」とムーア氏は意欲を語る。

北大西洋の豊かな海が育むアイリッシュシーフード 8月5日はパン粉の日