カゴメ、コロナ禍での需要を再構築 飲料「ご褒美」、食品「ホメらレシピ」

カゴメの飲料事業と食品事業の秋冬戦略が固まった。

飲料は、アフターコロナ、ウイズコロナによる生活者のインサイトに合わせた2つの飲用シーンと飲用価値を提案し需要を再構築する。

鶴田秀朗飲料企画部長は「コロナ感染に伴うワクチン接種を境に運動不足による体型の悩みや、鬱屈からの解放へ需要が変化。また在宅増・外食減により規則正しい生活となり、野菜不足の解消手段としての野菜飲料のポテンシャルは高い」との見方を示す。

食事バランスへのアプローチでは、「野菜一日これ一本」と「野菜生活」(レギュラー)で野菜不足を手軽に、おいしく、コスパよく補えることを訴求する。

鶴田飲料企画部長(カゴメ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
鶴田飲料企画部長(カゴメ)

具体的には「コロナによる行動制限がなくなり、人流や旅行者も増えている。今後、外食や旅行、出張などが増えると野菜を含めた食事の栄養バランスがおろそかになる。野菜を手軽でおいしく、しかも1日に必要とされる350gが摂れる”これ一”はコスパ的にも優れている。単身者などにも野菜を補うには手軽でスピードよく、コスパが高い野菜飲料の価値を伝え、食事の中で野菜飲料を上手に使ってもらう提案をする」。9月初旬には広告や店頭と連動した大型消費者も展開する。

ご褒美・リフレッシュ対応も強化する。「Smoothie」と「野菜生活」(季節品)で、気分に合わせて選べる楽しさや果実と野菜のヘルシーなリフレッシュを訴求していく。

Smoothieシリーズでは季節限定品の「野菜生活100 Smoothie シャインマスカット」「同いちごさん」とともに、通年食品として「野菜生活100濃厚バナナスムージー」を新発売。

季節限定品のフルーツこれ1本シリーズとして「秋のフルーツこれ1本」「冬のフルーツこれ1本」、季節限定野菜生活シリーズとして「高知和柑橘ミックス」「濃厚果実ラ・フランスミックス」も発売。

「感染拡大や自粛生活により消費者にはストレスが溜まっており、鬱屈した気持ちから解放されたい、頑張っている自分にご褒美をあげたいというインサイトが膨れている。スムージーは健康的でスイーツのようなおいしさとリフレッシュできる飲料としての性格もあり、ご褒美・リフレッシュにより新しい提案をする」考えだ。

食品は、誰でも簡単にでき、彩りがあり、気持ちが“アガる“新しいトマトメニューによる楽しい食卓を提案していく。

西村食品企画部長(カゴメ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
西村食品企画部長(カゴメ)

カゴメではトマトメニューを「作る人も食べる人も気持ちが“アガり“褒められた気分になる」ものとみており、これを「ホメらレシピ」として表現し、新製品「じょうずに野菜 サーモンのトマトチーズ煮トマトパッツァ用ソース」「サルサホット」や「焼きケチャップによるお米・お肉メニュー」を提案する。

西村晋介食品企画部長は「油や小麦など食品関連の急激な価格高騰により、消費者には不安と共に、節約志向や生活防衛意識が高まる」と述べ、米へのシフトと卵の活用が進むと予測している。