「ネスレ ミロ」が大人に支持されて急拡大 派生品「オトナの甘さ」が純増しココア・モルト市場を席捲 ネスレ日本

 1973年に発売開始され“強い子のミロ”をキャッチフレーズに子どもの成長応援飲料として展開してきたネスレ日本の麦芽飲料「ネスレ ミロ」が大人層からの支持を強固にして急拡大している。

 「ミロ」には、特に女性に不足しがちな鉄分や、吸収されにくいカルシウムの吸収を助けるビタミンDなど2種類のミネラルと6種類の栄養素がバランスよく含まれているのが特徴。

 20年夏頃、“ミロで鉄分が摂れる”ことがSNSで話題になってからブレイクし、大人の飲用量が圧倒的に増えていったという。

 同社の調べによると、21年の購入率はブーム以前の19年と比べて約3倍に伸長し、昨年、ココアと麦芽飲料をあわせたココア・モルト市場でトップに躍り出たという。

 約3倍の伸長は大人が牽引。21年購入率は19年比で、子ども(0~18歳)を持つ層が約2・8倍に拡大したのに対し、子どものいない層はそれを上回る約5倍の伸びをみせた。

 この販売動向を受けて、「ネスレ ミロ オリジナル」(本体)に加えて、昨年10月に砂糖の摂取量が気になる大人に向けて使用する砂糖の一部を食物繊維に置き換えた甘さひかえめタイプ「ネスレ ミロ オトナの甘さ」を発売したところ本体と食い合うことなく純増で推移している。

 3日取材に応じた吉永祐太飲料事業本部レギュラーソリュブルコーヒー&RTDビジネス部ユニットマネジャーは「『オトナの甘さ』は本体とカニバリを起こさず大人の方を中心に飲んでいただいている」と述べる。

 「ネスレ ミロ」本体も好調を維持。
 需要急増による20年末からの一時販売休止の後、販売を再開した21年3-8月の「ミロ」の売上は19年同期比の約3.5倍となった。

 今後については「トータルで健康価値を訴求する。特に“鉄分が摂れる”ことの認知が低いため継続して発信していく。『オトナの甘さ』も発売してから間もないので認知をさらに広めていく」と意欲をのぞかせる。

 この考えのもと、鉄分訴求の施策として、3月4日から4月30日までの期間限定で「ネスカフェ 原宿」(東京都渋谷区)に「ミロ 鉄分お助け自販機」を設置する。

 自販機に本体や「オトナの甘さ」などを取り揃え、「ミロ」デザインのマグカップとのセット販売も行う。

 女子栄養大学の上西一弘教授監修のもと開発した鉄不足チェックのコンテンツも設け、選択式の設問で鉄不足チェックを行い、チェックの結果と鉄補給に適した食品が表示されるようになっている。

 自販機の設定に加えて「ネスカフェ 原宿」内では「オトナの甘さ」を使用したアレンジメニュー2品を特別メニューとして提供する。

 ファンとの交流強化や定期的な栄養・健康情報発信のための施策としては、2月25日に「ミロ」公式ツイッターアカウントを開設。フォロワー数は開設から1週間足らずの3月3日時点で2.4万に上る。

5月8日は「#ぬか漬けの日」アイデアレシピ大募集
優秀作にはプレゼントも