国分グループの冷凍卸ナックスはこのほど、取引先メーカーで組織する「全国NN会」を開催。NN会の会員メーカー54社、60人が出席した。
ナックスの21年度連結業績は売上高1千719億円4千万円(19.3%増)、営業利益6億4千万円。カテゴリー売上高は▽市販用冷食787億円(前年比27.7%増)▽アイスクリーム231億円(45.9%増)▽惣菜545億円(2.5%増)▽ベーカリー70億円(31.9%増)▽その他84億円(27.1%増)。各カテゴリーとも順調に売上を伸ばした。
石橋逸平ナックス社長は、21年度からスタートした国分グループの第11次長期経営計画(21-25年度)にあわせて、「ナックス独自の長計を策定した」ことを報告。「Challenge to X~冷凍食品卸のプロフェッショナル集団への進化~」を掲げ、最終25年度の定量目標として売上高2千億円を目指す。
長計実現に向けた戦略・施策は、長計実現に向けた戦略・施策は、
①主要得意先との取り組み深堀
②新規販売チャネル開拓
③冷凍物流一元化
④DX活用
⑤経営基盤の安定化
①では、各エリアの主要得意先、イオングループ各事業会社との取り組みを深化。付加価値商品提案、冷食売場活性化を進め、新規取引獲得とオペレーションの効率化につなげる。
②では、ドラッグストア、DSなど成長業態の販売チャネル拡大に向けて、他社との商品・物流面での非競争領域の協業も含め、惣菜や冷凍生鮮等のカテゴリーでの取り組みを加速する。
③は得意先が取り合うすべての冷凍カテゴリー商品の物流一元化を推進。チルド温度帯配送の冷凍生鮮品(水産・畜産・農産)の取り込みによる物量増と品質管理を強化する。
④は、デジタルツールを活用したMDサポート強化と受発注効率化に向けて、丸紅デジタルイノベーション室、国分グループ本社サプライチェーン統括部のサポート、協業を得ながらDXを推進する。
⑤は、国分基幹システム定着および新人事制度導入と目標管理運用体制の浸透により、基幹システムスキルの向上、安定稼働、人材基盤構築を図る。
営業本部の22年度方針では、主要得意先との取り組み推進に向けて、各エリア主要得意先からの冷凍食品需要増による売場拡大、付加価値商品の提案強化への要望に積極的に対応。西日本エリアのイオングループ各事業会社における冷凍カテゴリーの未獲得商圏へのアプローチを推進する。物流起点での冷凍卸機能拡大では、物流コスト上昇に対応した物流拠点の新設・統合、共配などのコスト削減施策の提案・実行を図るほか、冷凍カテゴリーの物流一元化提案を推進。デジタル戦略では、MDサポートなど得意先とのデジタル接点強化を推進し、受発注業務の平準化、効率化につなげる。
なお、22年度上期(1-6月)の連結売上高は851億円、前年比6.1%増と好調に推移。カテゴリー別では▽市販用冷食388億円(前年比7.2%増)▽アイスクリーム103億円(8.3%増)▽惣菜286億円(5%増)▽ベーカリー35億円(7.5%増)▽その他37億円(2.7%減)。
国分グループ低温フレッシュデリカ事業における冷凍食品卸としてのプレゼンスを強みに、「顧客満足度№1企業を目指し、皆さまの期待に添えるような業務に取り組んでいく」方針を示した。