キンレイは、6月24日付で発足した白潟昌彦社長を中心とした新経営体制でさらなる成長を目指す。秋冬向けには販売好調な「お水がいらない」シリーズのうち看板商品「鍋焼うどん」などをブラッシュアップ。白潟社長は「創業50周年を迎える2024年、亀山工場(第3工場)が4月に稼働する予定。これからも成長・進化を止めず一歩ずつ前進していく」と意気込みを語った。
このほど記者会見を開き、冒頭に前社長の和田博行副会長があいさつ。入社から43年、冷凍麺業界の創成期に携わった経験や現在までの歩みを振り返り、「(自身が社長を務めた)約9年で売上は80億円から160億円超へと倍増した。新工場の稼働が次のステップにつながるものと期待している。社員は約120人まで増えたが、若手メンバーも育ってきた」などと話した。
21年度の総売上高は167億4千700万円。うち、食品事業(不動産等除く)は約165億円。業態別は量販店・CVSを中心に家庭用の構成比が96%と高い。22年度は総売上高168億8千200万円、食品事業166億円を計画。4~6月の実績は前年反動もあり数%減だった。商品供給がタイトなため販売アイテムを絞った影響もある。
今年11月着工予定の亀山工場は、第1期工事として24年に1ライン目、27年に2ライン目の稼働を目指す。テーマは省人化・省力化・環境配慮・地域貢献など。高付加価値冷凍調理麺の製造拠点として、一層の品質向上を図る考えだ。その後、同工場内で第2期工事も予定している。市場動向や生活者の変化を見極めながら計画を詰めていく。
今年の秋は「お水がいらない」シリーズのパッケージをリニューアル。側面・裏面に透明窓を導入し、おいしさと簡便性の秘訣である「二段凍結三層構造」が外袋から確認できるようになった。各商品を順次切り替える。
シリーズ品のうち、「鍋焼うどん」(525g)と「味噌煮込みうどん」(500g)はさらにおいしさに磨きをかけた。8月22日発売。前者は枕崎産鰹節の追い鰹で香り高いつゆに仕上げ、後者は地元で親しまれる本格的な味わいを追求した。「24年の新工場稼働に向け、22~23年は収益確保しながら地力を強化する期間に位置付けている」(白潟社長)。