食品スーパー 売上微減も利益圧迫 大幅コスト上昇が影響

小売を取り巻く環境はより厳しさを増している。コロナの一服感で内食需要も落ち着きを見せる一方で、ウクライナ問題の長期化に伴い、エネルギーや原材料価格の上昇が加速したことに加え、業種・業態の垣根を越えた競争の激化、急激な円安の進行により物価上昇が想定以上に進み消費者の生活防衛意識も高まりを見せている。また、値上げによる仕入価格の上昇もコストを圧迫する一因となる。

このような状況下で利益をいかに確保するかが焦点となる。そのなかで利益率の高いPB強化や、オペレーションの改善などコスト削減の取り組みを一層強化しているが、SMの第1四半期は増収減益の企業が多くみられた。企業別の営業利益をみると、アークス11.5%減、サミット27.6%減、ライフ34.4%減と、光熱費などのコスト増が利益を圧迫している。

日本スーパーマーケット協会によると4月既存店売上高1.3%減、5月2.1%減と、客数や買い上げ点数が減っているにもかかわらず、生鮮の相場高や値上げにより売上の減少幅はまだ少ない。ただ、秋冬でのさらなる値上げも多種カテゴリーのメーカーが発表しており、より消費が冷え込む可能性もある。

今後、コスト吸収のためセンターフィーのアップや相見積もりの実施などが予想され、流通全体がより一層厳しい環境になるだろう。