飲料系飲料ペットボトル100%回収を推進 全国統一仕様の新機能リサイクルボックス設置 全国清涼飲料連合会が方針

ペットボトル100%回収を推進 全国統一仕様の新機能リサイクルボックス設置 全国清涼飲料連合会が方針

 清涼飲料水の業界団体である全国清涼飲料連合会(全清飲)は14日、今秋に全国統一仕様の新機能リサイクルボックスを設置するなどしてペットボトル(PET)の100%回収を推進していく方針を明らかにした。

 この日、新会長の就任挨拶した松尾嘉朗会長は、最優先課題に環境対応を挙げ「サーキュラー(資源循環)&エコロジカル(地球との共生)・エコノミーの確立が、清涼飲料業界の健全な発展につながるものと確信している」と述べる。

 この確立に向けて、資源循環とカーボンニュートラル(CO2排出抑制)の両輪で取り組む考えを明らかにし、資源循環では主に使用済PETの国内循環を推進していく。

 この国内循環には飲料リサイクルボックスなどから回収される事業系回収PETの品質改善が課題であることから「今秋には全国統一仕様の新機能リサイクルボックスを展開する」。

 飲料業界では、使用済みのPETをきれいな状態で回収・リサイクルすることで再びPETとして使用する「ボトルtoボトル」と呼ばれるPETの100%有効利用に取り組んでいる。

 リサイクルボックスへの異物混入阻止はその一環で、タバコの吸い殻やプラスチックカップといった飲料容器以外の異物混入は100%有効利用の大きな阻害要因となっている。

 新機能リサイクルボックスは、飲料容器の投入口を下向きにして投入口を見えないようにすることでゴミ箱感をなくしたもので、改良を加えながら20年から2年かけて実験と検証が行われた。

 その結果、異物混入の削減効果がみられたことから、デザインをさらに磨き、この秋から本格展開される。

 事業系回収PETの品質悪化がPETの海外流出の一因と指摘するのは、新会長と並んで新専務理事の就任挨拶した那須俊一専務理事。

 事業系回収PETの約半分と市町村回収PETの微量を合わせた回収量全体の31%が海外に流出しているとし「国内で集めたものは我々の貴重な資源であり、国内資源循環のためにまずできることは品質をしっかり上げていくこと」と語る。

 リサイクルPETの供給を潤沢にしてボトルtoボトルを円滑に推進していくためにも、海外流出の防止と、ごみ処理されているPETの資源回収に重きを置く。

 「PET100%有効利用には100%回収が必要。PET商品の販売量を100とすると資源として回収された量が96.7%で、残り3.3%がプラスチック資源として分別されず可燃・不燃ごみに混入している。海外流出を防ぎ、ごみ混入分を回収できれば(リサイクルPETの)需給ギャップはほとんど埋まる」との見方を示す。

全国清涼飲料連合会(全清飲)の松尾嘉朗会長(右)と那須俊一専務理事
全国清涼飲料連合会(全清飲)の松尾嘉朗会長(右)と那須俊一専務理事

 松尾嘉朗新会長は1985年に大塚製薬に入社。営業・人事・総務などを経験し、2008年に大塚ホールディングス(HD)常務取締役に就き、途中、大塚ベバレジ(現・大塚食品)取締役、大塚ウエルネスベンディング監査役を兼任し22年に大塚製薬代表取締役副社長と大塚HD取締役副社長に就任。

 大塚HDではサステナビリティ・人権・調達のプロジェクトリーダーを務めていることから、そこでの知見・経験を強みにして全清飲会長職に臨む。

 「業界の利益はもとより、社会の公益のために何ができるかを考えていかないと最終的な清涼飲料業界の発展につながらない。大塚製薬でも社会的貢献について考えてきたが、より高い視点が必要ということで大役を仰せつかったと考えている」(松尾会長)。

 環境対応に加えて、飲料業界発展のための土台強化として、中小企業支援・技術分野支援・自販機ビジネスの健全化などにも取り組む。

 中小企業支援では、直近5年間でラムネの輸出が倍増している事実などをアピールしてラムネ・サイダー・シャンメリーなど中小企業商品の需要喚起を図っていく。

 技術面では、法規制の対応や周知、資源循環を促進するためのガイドラインの策定・改定に取り組む。

 自販機ビジネスの健全化については、23年10月に導入されるインボイス制度への対応やオペレーターの人材確保に向けた活動を予定。

インボイス制度とは、商品に課税されている消費税率や消費税額を請求書に明記するもので、これが適用されると自販機のロケーションオーナーが取引先(メーカー・オペレーター)からの求めに対し適格請求書を交付しなくてはならない可能性が出てくる。

 「自販機設置先には大企業だけではなく小さなところもあり、そのようなお客様にも事業者登録を求めなくてはならないため様々な問題が起こりうる。23年10月から6年の経過措置があるためすぐには困らないが、今から言うべきことを政府に伝えて取り組んでいく」(那須専務理事)。

 なお松尾嘉朗会長の座右の銘は米アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏の言葉”I’ll make my own place.(自分の居場所は自分で作る)”。趣味はウォーキングとスポーツ観戦。

関連記事

インタビュー特集

Mizkan フルーティス刷新(後編) 「新・果実体験」を提供 リフレッシュしたい時に

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。家庭用では業務用で人気の「シャインマスカット」「あまおう」「白桃」を、家庭用・業務用の双方で「ざくろ」を新発売した。

Mizkanフルーティス刷新(前編) 果実のおいしさが主役の新製法 マーケティング本部 田中菜々美氏に聞く

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。

学生が育てるアーモンドの木 明日の社会へ価値循環 デルタインターナショナル×キャンポスブラザーズ

アーモンドの世界的産地である米カリフォルニア州でも、トップクラスの供給量を誇るキャンポスブラザーズ社。日本の販売総代理店を務めるデルタインターナショナルでは、学生の手でアーモンドの木を育てて商品化することを目指す玉川大学の...

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。