ドライバー不足の緩和へ共同輸送マッチングサービス デジタコデータを活用 JPRとトランストロン

国内1位のレンタルパレットサプライヤーで共同輸送マッチングサービス「TranOpt(トランオプト)」を運営する日本パレットレンタル(本社・東京都千代田区、加納尚美社長、以下JPR)と、富士通ブランドのデジタコを製造販売するトランストロン(本社・横浜市、林瑞泰社長)は、両社の製品・サービスを連携させる取り組みを開始することに合意した。

約6千社が導入し、20万台が稼働しているトランストロンのデジタコが収集するトラックの発着地、年間出荷便数などのデータをデジタコデータ連携APIによって抽出し、JPRの共同輸送マッチングサービス「TranOpt」に取り込むことで、共同輸送の機会創出を目指す。

物流業界ではトラックドライバーの不足が深刻化する中で、その対策として複数企業での共同輸送によって限られた輸送能力を活用することが期待されている。今回の合意により、トランストロン製品の利用企業は、他企業との共同輸送の機会を求めることが容易にできるようになり、JPRの「TranOpt」利用企業は現在よりもさらに多様な企業との共同輸送が実現できるようになるという。

トラックドライバーの時間外労働時間に年間960時間の上限規制が適用となる2024年問題を目前に控え、物流業界では限られた輸送能力を活用する方法として複数企業での共同輸送への関心が高まっている。国交省の統計では、日本のトラック積載効率は40%未満にとどまっているとされ、改善の余地が大きく残されている。

JPRは共同輸送マッチングのサービス基盤を有しており、トランストロンはデジタコ製品を通じて共同輸送の基礎となるデータを蓄積している。両社では、互いの製品・サービスを連携することで、顧客の課題解決につながる取り組みを推進するもの。

JPRの「TranOpt」は利用者がシステム上に自社の運行情報を登録することで、共同輸送の相手を探すことができるサービス。「TranOpt」がシステム上でマッチングする共同輸送の実車率は平均93%を示し、この値は登録されたデータの豊富さに裏付けられている。「TranOpt」は運行経路の発着地情報に加え、季節ごとの物量の波動などの情報を付加できる仕様になっており、マッチング結果の満足度の高さを生み出しているという。

一方で、利用者にとっては、これらの大量で鮮度の高い情報を「TranOpt」に投入することは実務上の手間でもあり、トランストロンとの取り組みによって、利用者の利便性を向上しながら、共同輸送マッチングの確率と精度の向上を目指す。

すでに、トランストロンの顧客で日用品を運んでいる丸嶋運送(奈良県天理市)は、帰り便の積載率向上を目的に今回のトライアルへの参加を表明。JPRとトランストロンはトライアルの成果も踏まえ、今秋をめどに両社のサービス連携を開始する予定だ。

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