ヒガシマル醤油の上半期(1~6月)の売上高は、3月からの醤油の値上げや業務用の回復などにより前年同期を上回る見通しだ。まん延防止等重点措置で厳しい環境には変わりないが、経済活動の回復により業務用の回復には手応えをつかんだようだ。「得意先には料亭も多いが、高級店の集客が上向きつつあり、これらも手伝って業務用の回復が見えてきた」(西賀眞東京支店長付副部長)とし、今後は商品提案など外食の回復に向けた営業活動を強化し、中食などの新規業務用分野の開拓も進める。
3月には18年ぶりに醤油を価格改定したが、引き続き原材料や資材、エネルギー関連、物流費などの高騰により、厳しい市場環境が続いており、「今後は再値上げも検討しなければならない。しかし基礎調味料だけに消費への影響も大きく、予断を許さない状況だ」とし、「単に価格を上げるだけではなく、有効な情報提供などにより付加価値を高め、お客様の満足を獲得できるよう努める」。
今春発売した「三杯酢400㎖」は、こだわり原料である素材の味を生かす淡口醤油や、コクのある黒みりん、酸味まろやかな玄米黒酢などを使用していることが特徴で、西日本を中心に好調。健康志向の高まりを背景に家庭でお酢料理を調理するケースが増えたため、今年から200㎖から400㎖に容量を増やし、野菜売場での関連販売やWEBサイト・インスタグラムを通じたメニュー提案を強化している。
今秋冬に向け、売れ筋の「超特選丸大豆うすくち」を塩分抑えてまろやか仕上げにリニューアルするとともに、「京風割烹白だし」はコクのあるうま味のまぐろ削り節・うさめ節を合わせて改良。新製品では外食で定番の昆布だしをヒントに北海道産昆布のだしを使い、鶏のうま味とこだわりの淡口醤油で仕上げた「味しゃぶスープ」を9月から発売する。
販促は、例年通り9月以降に関東、関西、福岡を中心に「うどんスープ」などの主力商品でTVCMを予定。秋冬のあったかメニューや年末の年越しそばなど営業活動とタイミングを合わせ、消費者への浸透を図る。
なお21年度は、家庭用は堅調だったが、20年度の伸びには至らず、実績を確保できなかった。業務用も前年を下回った。醤油は定番の「うすくちしょうゆ500㎖」や「超特選丸大豆うすくち吟旬芳醇400㎖」は順調。「牡蠣だし醤油400㎖」は高伸長。粉末は「うどんスープ」シリーズが横ばい、液体はうす色系の「京風割烹白だし400㎖」が伸長し、家庭内調理の浸透を裏付けた。