不二製油グループ新中計 国内市場のブランディング強化 植物性食を食のスタンダードに

不二製油グループは、今年度から新中期経営計画「Reborn2024」(22―24年度)をスタートさせた。「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します」を2030年の新たなビジョンに掲げ、変容する社会環境に対応し、新しい価値を生み出す企業グループへの変革を進める(既報)。「挑戦領域の展開」では、グループの技術と各事業製品を組み合わせ、植物性食品の新たな価値を創造し、社会課題の解決と収益性強化を目指す。日本市場での活動方針について、不二製油の大森達司社長は次のように語った。

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グループビジョンの達成に向けて、(日本市場を担う)不二製油として挑戦領域での活動コンセプトを定めた。「不二製油の『おいしくて分かりやすい』植物性食品は、人と地球の健康を考え、選択肢を増やし、新たな時代の食のスタンダードとして誰もが心から食事を楽しめる世界を創ります」。

植物性食品の普及には、おいしさの実現が不可欠であり、おいしさとは味だけでなく、健康やサステナブルなど、ココロやカラダで感じるおいしさも含まれる。当社では、油脂×たん白×乳化発酵の技術を組み合わせることで、うま味や口溶け、食感にこだわり、植物性素材だけで「驚きのおいしさ」を実現する技術や製品を生み出してきた。

不二製油のコア技術を用いた製品群を挑戦領域のキラープロダクトと位置付け、植物性食品の価値をさらに高め、お客様とともに食の新たな選択肢を創造する。挑戦領域のキラープロダクトは、不二製油だからできる社会課題解決、新規性、分かりやすさ、人と地球の健康、驚きのおいしさを要件に、これらの製品群は需要の変化をとらえ、順次新製品を投入しながら、新たな事業サイクルを確立し、収益性の高いポートフォリオを実現する。

例えばプラントベース(以下PBF)の調味料をはじめ、乳不使用のPBFミルクチョコレートやホワイトチョコ、新製法の大豆ミートをキラープロダクトとして、新たな市場創造に積極的に挑戦する。消費者ニーズや生活スタイルの変化を敏感にキャッチし、課題解決型の事業サイクル確立を目指す。

製品開発・技術開発だけでなく、新たな売り方、市場開拓のアプローチも強化する。既存のBtoBだけでなく、植物性食品への関心が高い購買層への情報発信やECサイトでの製品展開により、植物性食品を手軽に買える場面を増やし、新たな市場の拡大につなげていく。

BtoB領域では、既存の加工食品メーカー向けに加え、中食・外食市場での展開にも力を入れる。昨年期間限定でラーメンチェーンの一風堂と100%プラントベースの豚骨ラーメンを発売したが、今後さらに外食・中食市場でのコラボレーションを広げていく。百貨店惣菜などで、大豆ミートを使用した唐揚げやPBFの調味料の提案も進めていきたい。伸長するEC市場では、5月に国内最大級の製菓製パン素材のECサイト「cotta」と資本業務提携を締結した。

ホテルニューオータニとの取り組みで当社のPBF製品を活用したメニューの販売もスタート。丸の内エリアでのPOPアップイベントや、キッチンカーの展開を通じて、PBFを体験できる場を増やし、一般消費者への認知度拡大・普及啓発を推進する。

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