鹿児島茶 躍進の理由

お茶の2大産地が静岡と鹿児島、この両県で21年は79%が生産されている。静岡が3万t弱の42%、鹿児島が2万6千tで37%。この10年は静岡がジリ貧傾向にあり、鹿児島は着々と首位の座をうかがう勢いだ。

▼22年産の一番茶も、静岡茶市場が扱い数量、金額とも10%減で終了したのに比べ、鹿児島茶市場は数量で3%減、金額では5%増だった。同程度の品質の茶葉が、鹿児島で1千円台半ばの値を付けているのに対し、静岡では1千円台を切るあたりで落札されることも散見された。

▼お茶の専門店の凋落が甚だしい。20年前の購入先は専門店が38%でトップ、しかし今ではスーパーが49%の断トツとなり、専門店は16%となっている(農林水産省・茶をめぐる情勢)。そして専門店の主人の大半は、お茶は京都か静岡に限るという意識が強く、鹿児島は一段低く見られていた。

▼今のスーパーでは八女茶、知覧茶など産地のブランド化が進み、「かごしま茶」を訴求する売場も増え、SKU数で比べると鹿児島産の扱いが多くなった。この差が同品質であっても茶価に差が付く理由だと思われる。

EU農産品  - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)