レンジ調理の「冷やし中華」 最盛期に向けて生産順調 ニチレイフーズ山形工場

「冷やし中華、はじめました」。夏本番を前に、ニチレイフーズ山形工場では新製品の「冷やし中華」の生産がピークを迎えている。

家庭で手作りの冷やし中華といえばチルド麺が定番だが、同社が3月に発売した「冷やし中華」は、電子レンジでチンするだけで、冷たい麺が出来上がる新開発の冷凍食品。

マイクロ波の影響を受けにくい氷の特性を利用し、自社製造の麺の上に氷を載せて急速凍結することで、レンジ調理後も適度に氷が残り、冷たい状態でつるつるとしたのど越しの良い麺が特長の冷やし中華が楽しめる。具材にもこだわり、自社製造の煮豚と錦糸卵、オクラ、紅生姜をトッピングし、1食完結型のメニューに仕上げている。

発売後の反響も大きく、「冷やし中華」は計画比120%と好調に推移。気温上昇とともに販売が伸びており、夏本番に向けてさらなる拡販が見込まれている。

家庭用冷凍食品「冷やし中華」(ニチレイフーズ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
家庭用冷凍食品「冷やし中華」(ニチレイフーズ)

伸長する個食需要に対応 環境配慮の取り組みも強化

同社では、ライフスタイルの変化や単身世帯の増加を背景に、伸長するパーソナルユース需要に対応するべく、山形工場に40億円を投じて個食対応型の冷凍食品ラインを新設した。

第一弾の「冷やし中華」に続き、秋冬新商品では「つけ麺」を発売予定。新ラインは麺以外にも、トレー入りのおかずや弁当セットなど幅広い商品が製造可能で、施設給食や惣菜デリカ、外食・レジャー業態など業務用商品の開発も進める。

新ラインを導入した山形工場。自然エネルギーを利用して環境にも配慮。(ニチレイフーズ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
新ラインを導入した山形工場。自然エネルギーを利用して環境にも配慮。(ニチレイフーズ)

なお、山形工場は新ライン設置とあわせ、地産池消の自然エネルギーを活用した環境対応の取り組みを強化。工場で使用する電力は、山形県内の水力発電所で発電した「よりそう、再エネ電機」に切り替え、CO2排出量を年間2千トン削減し、使用電力にかかるCO2排出量ゼロを実現した。また、環境省のCO2排出量抑制対策事業を活用して、100%自然冷媒による冷凍設備を導入し、脱フロン化を推進。環境に配慮した工場として、地域との共生や社会貢献の取り組みも強化している。