旭食品 今期5千億円目指す 竹内社長が示す新しい地域卸

旭食品グループの2022年3月期連結売上高は4千828億3千500万円。収益認識基準適用後の数値だが、グループ化した静岡の食品卸、ヤマキの売上が加わったこともあり前年度の売上高(4千771億円)を上回った。経常利益は前年比230%の27億4千900万円の増益。今期は「変える、拡げる、とんがる」との経営方針を掲げ、売上高5千億円、経常利益37億円を目指す。

竹内孝久社長は1日に高知市で開かれた「全国旭友会」で、次の通り方針を示した。

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【変える、拡げる、とんがる】

今期の売上高は5千億円、経常利益は37億円、来期の100周年に向け過去最高を目指す。09年にも同じぐらいの利益を計上したが、その時の売上高は4千億円だった。10年間で売上高を約1千億円増やしても、物流費などのコストが上がったことで利益は変わっていない。これからの時代は規模の追求だけでなく、収益力の高い事業を進めていかなければならない。

今年度の方針は「変える、拡げる、とんがる」。従業員が覚えやすく、分かりやすいキーワードにした。これまでの考え方を変え、行動を変えて実行に移す。そして個人、組織がとんがることで差別化を図る。

今年度は卸売だけでなく業務用、デリカ、ものづくり、ホテルなどいずれのセグメントでもコロナからの回復が予想される。中四国などの生産性の低いエリアから、グループ会社の多い首都圏へ人員と資本を投入するなど全体で生産性を高めていく。

【新しい地域卸】

今期、中四国支社が発足した。支社を統合するのは当社の歴史において初めてのことだが、ただ一緒にするというだけではない。さまざまな業界が、人口減少社会をどうデザインしていくのか。その動きに合わせ、われわれ食品小売業界も変えていかなければならない。

物流や人員などいろいろな強みを持っている中四国において、卸以外の事業を確立することで新しい地域卸になる。そのためには、食や観光といった地域の資源をいかに活用するか。

産官学や他業界との連携の中から新しく生まれたものを関西や関東、そして海外にも出していく。出口を強化し進化させることが、地域の使命だと考えている。中四国支社でそういう動きをしていきたい。
旭食品グループ 2021年度売上高 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)