食事に合う「午後の紅茶」登場 「おいしい無糖」根本から見直し飲みやすさ進化 お弁当とタッグ組み“紅茶の渋み苦手な層”に訴求

 食事に合う「午後の紅茶」が登場する。
 キリンビバレッジは「午後の紅茶 おいしい無糖」をより飲みやすくするなどして改良を加えて24日に発売開始し、お弁当などさまざまな食事に合うことを訴求するウィズフードを提案していく。

 飲料市場の約3割を占め最大規模となる無糖茶カテゴリーは食事時に最も多く飲まれるという同社調査結果を受け、ウィズフードで間口(飲用層)拡大を図るのが狙い。

 間口拡大にあたり特に意識したのが紅茶の渋みを苦手とする層。

 「おいしい無糖」は2011年の発売開始から10年連続で販売数量を伸ばし現在も上昇基調にあることから、改良にあたっては、既存ユーザーと紅茶の渋みを苦手とする層の両方に支持されるべく試行錯誤を重ねたという。

 19日取材に応じた加藤麻里子マーケティング部ブランド担当主査シニアブランドマネージャーは「根幹となる茶葉のブレンドと抽出時間を1から見直した。『おいしい無糖』は砂糖などが入っていない分、味づくりが難しく、最初のほうは上手くいかず何度も味覚改良してついに完成した。ご愛飲されている方にもご納得いただけるように渋みを低減させた」と振り返る。

パッケージにはグラスのシズルをあしらった。 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
パッケージにはグラスのシズルをあしらった。

 パッケージにもこだわった。

 「おいしい無糖」(コールドタイプ)初の試みとしてグラスのシズルをあしらい「シズルによって、紅茶を飲んでいない無糖茶ユーザーにスッキリとゴクゴク飲めそうだと思っていただきたい」と期待を寄せる。

 ウィズフード提案では新規ユーザーのトライアルを促進していく。

 「無糖茶ユーザーは食事のときに飲まれると思うので、そのときに試してもらえれば“ちょっと渋いのではないか”と思われているトライアルの障壁が払拭できる」と語る。

 今回、ウィズフード提案の中心となるのが、購入機会が近年増加傾向にあるというお弁当で、スーパー・量販店やコンビニではお弁当とのクロスMDを展開。スーパー・量販店では大陳や多箇所での露出を予定している。

 小売店以外では東京駅の駅弁ともコラボ。夏場に向けては「大手レシピサイトとタッグを組みながら地域の食も一緒に応援する施策も検討している」。

 お弁当と「おいしい無糖」の相性については、慶應慶應義塾大学で研究・開発された味覚センサー「レオ」を使って評価したところ、鮭・ハンバーグ・麻婆・からあげの各お弁当で他の無糖茶飲料よりも高いスコアを記録した。

 具体的には「『おいしい無糖』は、ほどよい渋みを示す苦味と酸味があり、甘味・塩味・旨味のスコアがある程度高いお弁当のような料理と合わせることで、五味の総和が高くなるため和・洋・中すべてのお弁当と最も高い相性を獲得することができた」と説明する。

19日開催されたキックオフイベントに登壇した深田恭子さん(中央)と中条あやみさん(右) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
19日開催されたキックオフイベントに登壇した深田恭子さん(中央)と中条あやみさん(右)

 コミュニケーションは、深田恭子さんと中条あやみさんを起用した新TVCMを20日から放映。屋内・屋外のさまざまな場所でお弁当との食べ合わせを訴求していく。

 新CMには「お一人よりもお二人に様々な場所で『おいしい無糖』とお弁当を広めていただくことでメジャー感を打ち出しトレンドをつくっていきたい」との思いを込めた。

 「おいしい無糖」は11年の発売開始から10年連続で販売数量を伸ばし、「午後の紅茶」ブランド内の構成比は現在、15年比7ポイント増の約2割に拡大。
 21年はほぼ横ばいで着地し、9月28日に発売開始した「おいしい無糖 香るレモン」を加えた「おいしい無糖」シリーズ計の21年販売数量は前年比8%増となった。今年1-4月は「香るレモン」が純増しシリーズ計で2割増となった。

 なお、同社調べによると、21年無糖茶飲料市場は、容量ベースで15年比22%増、前年比3.2%増となり「経年的に成長している」とみている。

 無糖茶飲料の中ではスッキリした味わいがトレンドと指摘する。
 「お客様の調査からも、飲料全体で二極化していることがわかってきた。ミルクティーのような甘くて濃厚なものが支持される一方、無糖茶においてはよりスッキリした味わいが求められるようになっている」との見方を示す。