「セブンプレミアム」が競争力の源泉 セブン&アイHD 井阪隆一社長

セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は、決算会見で今期の戦略を語った。

  ◇  ◇

「中期経営計画」においては、国内外のコンビニ事業を当社グループの成長ドライバーとするとともに、グループ国内売上の6割強を占める食品事業を戦略的な成長領域と位置付けている。当社グループでは食品事業の競争力強化により、食品市場におけるシェア拡大を目指しており、業態を越えてグループ総力を結集し、ブランドの育成強化を図っている。とりわけ、2007年から展開しているグループのPB商品「セブンプレミアム」は、革新性と認知度の高さ、お客様からのご支持などの点で、競争力の源泉となっている。

セブンプレミアムの開発は、セブン-イレブン・ジャパンが独自に創出した開発プロセス、イトーヨーカ堂の生鮮品、加工食品などにわたる幅広い調達力、さらにグループ内の多様な知見、情報力、そしてお取引先さまとの長年にわたる信頼関係を融合することで可能となっており、流通サービス事業者独自のブランド戦略としては、ほかに類例のない取り組みだ。コロナ禍を経て、いっそう拡大するお届けニーズに対応し、セブン-イレブン・ジャパンの「7NOW」、イトーヨーカ堂のネットスーパーなどのサービスを展開しているが、今後はグループ共通の顧客IDである7iDを軸に、両社の有する店舗ネットワーク、アプリ会員、センターなどを有機的に連携させることで、グループ独自の競争力あるサービスに進化させていく。「7NOW」は現在、国内約1千200店で展開しているが、2024年度には全店での展開を目指しており、イトーヨーカ堂では魅力ある商品を確実にお届けすべく、ネットスーパーのセンターを2023年度に新横浜、2024年度に流山で稼働させる。

「セブンプレミアム」の昨年度売上高は1兆3千800億円。セブン-イレブンのチャネルを通じた販売が全体の8割以上を占めており、セブン-イレブンが競合コンビニに対し圧倒的な日販を実現している背景としての大きな競争力となっている。一方、開発においては、イトーヨーカ堂を中心としたスーパーストア事業が有する産地把握、商品調達、生産管理などの知見が不可欠であり、開発体制としてもスーパーストア各社がオーナーシップを持って推進している。

グループ共通のIDである7iDの強みを生かすべく、2023年度にはオープンIDコネクトを構築し、7-11アプリからイトーヨーカドーネットスーパーに遷移し、注文できる体制を実現していく。また、配送サービスをさらに進化させるべく、グループ共通のラストワンマイルプラットフォームの構築も急ピッチで進めている。今後は、7iDを軸に、両社の有する店舗ネットワーク、アプリ会員、センターなどを有機的に連携させることで、ラストワンマイルの領域でも独自の競争力のあるサービスを提供していく。

新しい体験価値をご提供することで、7iD会員数を拡大し、新しいサービスの利用頻度が増えることで、より個々のお客様に対する理解を深め、質の高い提案ができる体制をグループとして築いていく。将来的には、リテイルメディアネットワークを形成し、米国ウォルマートのような広告収入の機会獲得につなげる。

イトーヨーカ堂は、これまで重ねてきた事業構造改革を2022年度内に完遂し、ネットスーパーのセンター化、首都圏および大都市圏への集中、強みである食のSPA化などの再成長戦略に注力することで、グループの競争力、企業価値向上に貢献するとともに、あわせて、単体の収益力も強化していく。

5月8日は「#ぬか漬けの日」アイデアレシピ大募集
優秀作にはプレゼントも