乾麺生産 21年は反動減も19年比で伸長 原料高が業界に直撃

2021年の乾麺生産は、特需に沸いた前年の反動により3.0%下回った。ただし19年対比では2.7%伸長しており、内食機会が続いたことに加え、乾麺の保存性や1食当たりの価格の低さなどが見直された。乾麺需要は4月を皮切りに右肩上がりに伸び、7月下旬にピークを迎える。今年はコロナ禍3年目で外食業態が戻りつつあり、さらに主原料である小麦や玄そばが高騰。過去2年の好況を維持できるのか、業界にとって試練の年になりそうだ。

機械麺は特にその傾向が顕著に現れ、食品需給研究センターが発表した麺種別の生産実績をみると、うどん2万5千290t/7.8%減、ひやむぎ1万5千542t/3.1%減、そうめん2万8千215t/6.6%減、そば4万7千345t/5.4%減と低迷。特需の恩恵を最も受けたうどんの減少幅が大きかった。

ただし、コロナ感染拡大前から順調に市場を拡大してきた干し中華は2万3千308t/14.7%増。またボリュームは少ないが、ひらめんが5千19t/6.0%増と初の5千t台に乗った。

手延べ麺は、そうめんが4万8千875t/2.2%減、ひやむぎは6千763t/7.7%減、うどんは3千122t/14.0%減。特需の反動減よりもむしろ、高齢化や人手不足による生産者減が響いている模様。

今年もGWに商戦の第一のヤマ場を迎えるが、乾麺市場を取り巻く環境は明るくなく、過去2年と比べて厳しさが増しそうだ。加工食品市場は巣ごもり特需で盛り上がった20年、その余韻が残った21年よりも内食市場が鈍化されることが予想される。また長引くコロナ禍による手取り収入の減少、原料価格の高騰に伴う物価の上昇などを理由に、消費者の財布の紐はますます固くなりそう。

ただ、乾麺は1食当たりの価格がリーズナブルであり、不況下に強い特徴もある。4月19日に新たに全国乾麺協同組合連合会会長に就任した星野陽司氏は、「消費者が倹約する環境になるほど乾麺の持ち味が発揮できる」と期待を寄せる。

機械麺メーカーでも、市場で好調なそばや干し中華の生産を強化する動きがあり、特にそばは信州や東北など生産比率が高い地域はもちろん、うどんやそうめんなど白物志向が強い西日本でも増産傾向にある。

その一方、主力原料である輸入小麦と玄そばの高騰が止まらず、業界ではそばが昨年秋に、白物が今春値上げに踏み切った。そこに小麦、玄そばの生産大国であるロシアによるウクライナ侵攻が重なり、今後も相場上昇が避けられない事態となっている。

引き続き上げ基調が続けばコストがかさみ、追加値上げは必須の環境を迎える。原料自体を確保できるかの不安も出てくる。これらが市場の冷や水になりかねないか懸念されるところ。業界にとって今年は試練の年になりそうだ。(詳細は4月25日発刊「乾麺めんつゆ2022」に掲載)

過去10年間の乾麺生産量