国分首都圏は13日、都内ホテルで「22年度経営方針説明会」を開催した。出席メーカー数206社(食品92、酒類63、菓子51)。
国分首都圏の21年度業績は売上高3千625億円、経常利益50億1千600万円で着地。物井敦・国分首都圏社長は「コロナ禍で業務用ルートの回復が見込めない中で、スーパー、GMS、生協、EC/宅配ルートが堅調に推移し、前年並みの売上高を確保できた。利益面では不採算取引の見直し、損益分岐点の引き下げによる収益性改善が進み、国分首都圏として初めて経常利益50億円を突破し、過去最高益を更新した」と語った。
第11次長計初年度の取り組みでは、共創圏の構築、コト売り強化を推進。昨年5月から千葉県酒類販売と物流協業を開始し、「千葉県内の物流6拠点を活用させていただき、200件を超える得意先の物流代行によって稼働率向上に貢献するとともに、国分グループのオリジナル商品の拡販など相乗効果が生まれている」と語った。
コト売りの強化では、新幹線を活用した商品輸送サービスを開始。JR東日本、得意先小売業との連携で、新潟・北海道の産直商品の販売が好調に推移している。
メーカーとの協業では、昨年11月に首都圏西マザーセンター(東京・昭島市)を開設。国分首都圏が高いシェアを有する酒類を中心に、ロット不足や調達輸送コストがかさむ地方メーカーに対して引き取り物流・在庫機能を提供。首都圏60拠点を超す共配センターと連携し、オリジナル商品や手印の在庫拠点としても活用することで、仕入れロットの適正化・在庫管理の適正化、輸送コストの削減などSCM連携強化による生産性向上につなげていく方針を披露した。
その上で、22年度は国分首都圏オリジナルの商品開発機能を強化。マーケティング部傘下に商品開発課を新設し、年間10品以上のオリジナル商品開発を目指す。
物井社長は「生活者・得意先のニーズとトレンドをとらえ、単品1億円以上の売上を目標に銘店コラボやブランド連携、有力コンテンツとの協業によって首都圏ならではのオリジナル商品を育成し、差別化につなげていくとともに、メーカーと連携した得意先PB留め型の開発機能提供によるコト売りを拡充する」と語った。なお、今期の定量目標は経常利益56億円。
会合では冒頭、国分グループ本社の國分晃社長が昨年度からスタートした第11次長期経営計画の取り組み概況と今年度のグループ経営方針を披露。続いて、各担当役員が営業戦略(杉野直起取締役常務執行役員)、マーケティング・商品統括部(鈴木嘉一取締役常務執行役員)、海外事業(萩野司取締役執行役員)について説明した。