「ポッカレモン100」でレモン果汁市場の8割強のシェアを握るポッカサッポロフード&ビバレッジは、レモンに多く含まれるクエン酸の疲労回復・カルシウム吸収促進・減塩といった主に3つの健康価値の訴求に注力する。レモンの健康価値を浸透させてレモンの総需要を引き上げることで、同社商品の売上拡大とファン獲得を図るのが狙い。
レモン・プランツミルク事業本部事業企画部オールレモングループの本谷宜久氏は「商品・サービス・事業活動全体を通して「レモンまるごとの価値」を生活者にお届けする。軸となるのは商品戦略で、商品の良さを伝えて手に取ってもらえるような販売促進やプロモーションを展開していく」と語る。
この中で、商品や広告では伝えきれない健康情報や調理方法などのお役立ち情報をPR啓発する。商品戦略とPR啓発戦略がお互い補完し合って、レモンまるごとの価値を伝えていく考えだ。
レモンPR啓発の柱は、食育活動の充実によるレモンのファン化とエリア啓発推進の徹底による強い絆づくりの二つ。食育では健康価値をメーンに訴求する。
レモンには、ビタミンC・クエン酸・ポリフェノール・リモネンの成分が含まれ、中でもクエン酸の含有量は果物の中でもトップクラスとなっている。クエン酸はレモンのイメージに結びつきやすい成分であることから、その健康価値を伝える活動に注力する。
クエン酸の健康価値については「健康機能として一番認知されている疲労回復のほか、カルシウムなどミネラルの吸収を促進するキレート効果や減塩効果がある。クエン酸の酸味やさわやかな香り成分には塩味をたたせてくれる機能があり、塩や醤油の代わりにレモンを使ってもらうことで、少ない塩分量でもしっかりとした味わいでおいしく減塩することができる」と説明。その啓発には、すでに実施している小学校出前授業やオンライン食育セミナーなどすべての活動の質と量を強化する。
これに加えて、新たな取り組みとして社内外にレモンアンバサダーを新設。社外に向けてはプロゴルファー稲見萌寧選手、プロ野球杉谷拳士選手、陸上競技寺田明日香選手のトップアスリートを起用し、スポーツ・運動時にレモンを摂るメリットを伝える。
「スポーツ・運動は継続されるので習慣行動につながりやすく、毎日レモンを摂ってもらい日々の健康を支えることにお役立ちできると考えている。スポーツ・運動にレモンがいいというファクトをつくるため、影響力のある方に実際にレモンを摂り入れメッセージを発信していただくことが重要」との見方を示す。
一方、社内アンバサダーはエリア啓発推進の一環で、各エリアのレモン啓発活動を一層推進し継続的な活動とするために、各エリアにレモン食育専属担当(社内レモンアンバサダー)を順次設置し、地域共創とレモン啓発に取り組んでいく。