ポッカサッポロフード&ビバレッジが「TOCHIとCRAFT」ブランドで展開している「北海道コーン茶」「伊達麦茶」「かごしま知覧紅茶無糖」の無糖茶飲料3品が拡大している。
21年販売実績は前年比で「北海道コーン茶」は前身商品の「やすらぎ気分のコーン茶」との比較で約1・5倍、「伊達麦茶」は前身商品の「伊達おいしい麦茶」との比較で約1・4倍とそれぞれ大幅に伸長。「かごしま知覧紅茶無糖」は16年に前身商品を発売開始して以来、右肩上がりとなっている。
3品に共通する好調要因は、無糖でありながらほのかな甘さや甘い香りが感じられる点。
「北海道コーン茶」は、北海道産契約栽培とうもろこしを使用して焙煎にこだわり、スッキリ感がありながら甘みも感じられるように仕立てられ、このとうもろこし由来の自然な甘い香りの味わいやカフェインゼロ・ミネラル入りの中味設計が受け入れられている。
取材に応じた価値創造飲料事業部の肥後亮氏は、「北海道コーン茶」について「カフェインゼロの無糖茶飲料は麦茶とブレンド茶で大半を占められ、味わいとして楽しむものがあまりないというユーザーの不満がある。そのときにとうもろこし由来の自然な甘さが感じられるカフェインゼロの無糖茶として支持を集めている」と語る。
「伊達麦茶」も麦茶飲料市場の中で甘みのある香ばしさが差別化ポイントとなって支持を集め、加えて原料に宮城県産六条大麦「シュンライ」100%を使用して国産素材の麦茶として打ち出したことが販売を後押しした。
「特にコロナ禍による国産素材ニーズの高まりと原料原産地表示が義務付けられたことで、宮城県産六条大麦100%が消費マインドに刺さったと思っている。加えて『北海道コーン茶』にも通じる部分だが、無糖でありながら甘みのある香ばしい味わいも刺さっている」とみている。
「かごしま知覧紅茶無糖」は、前身商品の鹿児島県知覧産紅茶を100%使用した原材料へのこだわりや味わいを守りつつ、20年9月に製造工程を見直して「無糖なのにほのかに甘い味わい」をアップさせて以降、勢いを加速させている。
「無糖なのにほのかに甘い味わいは、リーフや他のペットボトル飲料でも実現が難しく、そのことが価値として刺さった。コロナ禍のストレス解消として、少し甘いものが欲しいけれど運動不足もあり甘いものの摂取を控えようとするニーズに対応していることが大きい」との見方を示す。
「TOCHIとCRAFT」ブランドの今年の方針は「定番の幹をしっかり太くしていく」考えのもと、旗艦商品の「加賀棒ほうじ茶」に次いで「北海道コーン茶」と「かごしま知覧紅茶無糖」に注力していく。加えて、無糖茶以外のチャレンジ領域の位置付けで「北海道富良野ホップ炭酸水」や「北海道夕張メロンソーダ」を提案していく。
「北海道コーン茶」については「とうもろこしだけを使った純粋なコーン茶は当社にしかなく、今後はどこでも買えるようにしてコーン市場を創造していきたい。コミュニケーションは今年、妊産婦をターゲットに展開していく」。
「かごしま知覧紅茶無糖」は今秋に新施策を予定している。