デフレマインドの払しょくを

「値上げ交渉は進んでいますか?」。最近、メーカーの経営者や営業担当者と顔を合わせると、こう尋ねるのが常になった。返ってくる答えは「概ね理解いただいている」。これだけニュースで取り上げられ、そこに至る背景も周知の事実となれば、相手側も受け入れざるを得ない。

▼ただ、「概ね」というのは「すべて」ということではない。「価格凍結宣言」の延長や「お値打ち価格」の品目数拡大を堂々と打ち出す小売業もある。地方では「安く売るのがわれわれの仕事」「うちは最後に上げるから」などと断言するDSやSMのバイヤーに、頭を抱える営業マンの声を聞いた。

▼「もうさすがにお手上げだ」と嘆くのは、水産系卸の経営者。ここ数年で相場が3倍近く上がったカニを扱っているが、ロシアのウクライナ侵攻でさらに高騰するのは明らか。すでに昨年末から「この値段で並べても売れないから」と扱い自体をやめる量販店も出てきた。

▼モノが上がっても所得が増えない。それだけではなかろう。価格改定の浸透には、長い時間を経て染みついたデフレマインドを除く策が不可欠である。

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