「ワンマン経営者」は去ったが

ワンマン経営者なる呼び方がある。取締役会や管理職の助言に耳を傾けることなく、何でも一人で好きなようにものごとを進めていく社長のことだ。ただ、食品界や他業界を見ても、悪名高いワンマン経営者の話は聞かれなくなった。

▼高度経済成長時代の勢いの経済から、経済合理性を基本に動かないと破綻する時代へと変わり、ましてやこの人手不足の御時世、強引な手法では蜘蛛の子を散らすように社員がいなくなる。オーナー企業の社長といえども十分な気配りが求められるようになった。

▼ただ、専制主義国家のリーダーは違うようだ。自分は正しいとする考えから隣国を侵略、停戦合意を有利に進めるため民間人の死傷者を増やし、核や化学兵器使用の恫喝も行う。ここまで乱暴なやりたい放題が許されるのかと憤りとともに驚愕するばかり。

▼勢いの時代のワンマン経営者でも利益が確保できなくなれば会社は消滅する。支援する銀行もないだろう。武力でかの国を救うことが難しいのならより厳しい金融制裁が必要になる。世界経済も返り血を覚悟しなければならなくなった。