大手の参入が相次ぐ北米発の新感覚RTD「ハードセルツァー」。アサヒビールも4月発売の新ブランド「アサヒ FRUITZER(フルーツァー)」で、缶チューハイとは異なる新たなユーザーや飲用シーンの獲得を狙う。
「ハードセルツァーは健康的で気軽に楽しめるスタイリッシュなイメージが若者に受け、18年ごろから北米を席巻し世界に広がっている。日本導入へ3年ほどかけて国内外のマーケットを研究してきた」と語るのは同社新価値創造推進部の梶浦瑞穂部長。ユニセックスなデザインの外見、海外をイメージさせる非日常感、そして若者のライフスタイルにマッチしたライトな味わいをポイントに開発したという。
日本で主に缶チューハイとして親しまれるRTDは、世代によって飲み方に違いがみられる。「40代以上は晩酌が基本。家で食事しながら週3回以上飲む。一方、20~30代は晩酌というより『ながら飲み』。週に1、2回、ゲームやマンガを楽しみながら、友だちとしゃべりながら飲む」(梶浦氏)。
こうした飲用スタイルに合わせ、自然な味わいをテーマに中味を設計。〈レモン&ライム〉〈ピンクグレープフルーツ〉の2フレーバーとも、主流のチューハイのようなパンチのある味とは一線を画し、やさしく軽やかな味に仕上げた。度数もやや低めの4%。自分らしく自由に、ライトに楽しめる新しいスタイルの酒として提案する。
「フルーツァー」2品は4月5日から首都圏・関信越エリア、7月5日から全国で発売。海外で主流のスマートな355㎖缶で非日常感を演出する。希望小売価格158円(税別)。タレントを起用したTVCMやSNSでのオリジナルコンテンツ配信と店頭を連動させたプロモーションで、世界観の浸透を図る。