日本ハムは7日、新たに「消費者とより密接なコミュニケーションを図りブランド力を高める」(畑佳秀社長)ことを目的に、D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)の新規事業を、「エンタメ」「ウエルネス」「エシカル」の3つの領域で立ち上げていくと発表した。重点項目は「たんぱく質の選択肢拡大」と「食物アレルギーへの対応」。2月にウエルネス事業で食品業界初のアレルギーケアの総合サイトが始動(既報)。4月上旬からエンタメ事業で新ブランド「Meatful」を立ち上げるなど、新規事業で30年度売上高100億円を目指す。また、ビッグボス・新庄剛志監督がコーポレートアンバサダーに就任し、同社の2030年ビジョン「たんぱく質を、もっと自由に。」を主に消費者へ発信強化していく。
エンタメ事業は「たんぱく質との新しい出会い」がテーマ。新ブランド「Meatful(ミートフル)」は新しい食体験・食の価値を提供するプラットフォームで、商品の販売やサービスを行う。消費者はPCやスマホから簡単にサイトに入ることができる。
具体的には「お肉の可能性を広げる」をコンセプトに、「お酒ペアリング」「おうちフェス」「ドライミート」「oniku ya base」「Meets Hokkaido」の5つの領域で、ワイン専門商社やフレンチレストランシェフとの共同企画、北海道の地元ワインやビール工房との連携などにより価値提案を行う。同ブランドの初年度売上高目標は1.5億円。
新規事業の狙いは、既存のトップブランド「シャウエッセン」やプロ野球日本ハムファイターズだけではない「新しい日本ハムを創っていく」ことにあるため、ネットを通して消費者に直接販売する新規事業では、「シャウエッセン」などの既存商品は販売せず、新たなブランドや商品、サービスで新たな顧客層を獲得していく。新規事業は25年度に単年黒字化を目指す。
ビッグボス・新庄剛志監督の起用について畑社長は「(球団監督として)既成概念にとらわれない発想で戦略・チーム作りを展開している。日本ハムグループももっと自由な発想で挑戦し続けていくため」などを挙げた。