“チンチンポテト”の響きで30年以上前に登場した大塚の「マイクロマジック」再び脚光 コロナで高まる大人のおつまみ需要が背景

 大塚食品が1988年に発売開始した「マイクロマジック フライドポテト」がコロナ禍の家庭内需要増加で再び脚光を浴びている。

 同商品は、パーソナルサイズとしては先駆けとなる電子レンジで箱ごと加熱する本格冷凍スナックで、電子レンジを使って簡単に調理できることから往時はTVCMを放映して“チンチンポテト”の響きで訴求していた。

 近年の巣ごもりや料理機会の増加傾向を受け、この時代を先取りした簡便性に加えて、2020年に原材料のじゃがいもをアメリカ産から北海道産に変更するなど素材・製法のこだわりに勝算を見込む。

 「マイクロマジック」は、北海道産じゃがいも(ホッカイコガネ )を使用しているほか、植物油脂で2度揚げをすることでじゃがいもの旨みや甘みを引き出している。

 この特徴を強みに、近年の冷凍食品市場の拡大を追い風と捉える。

 日本冷凍食品協会によると、20年家庭用冷凍食品の国内生産量は19年比11.4%増を記録し6年連続の増加となった。その中で冷凍フライドポテトは特に食べ切りサイズで電子 レンジ調理できる商品が伸長傾向にあるという。

 2月25日発表した堀江かほりフローズンフード担当PMは「コロナ禍で冷凍フライドポテトが食卓に登場する頻度は朝・昼・晩の一日通して高まり、その中で大人のおつまみとして、より活発に利用されていることが分かった」と説明する。

 この見方のもと、今年、大人のおつまみに照準を合わせてラインアップを拡充。定番のオリジナル商品に加えて、3月1日に「あおさのり塩味」を新発売する。

 「あおさのり塩味」は、オリジナル商品の特徴に加えて、徳島県産の「鳴門のうず塩」で味づけし、アオサと焼きのりを多めにあわせ「まさに家飲みのおつまみにピッタリな“ガツンと濃い”味に仕上げた」。

 個食タイプにも商機を見出す。
 冷凍フライドポテト市場のボリュームゾーンは大袋タイプだが、伸長著しいのは個食タイプとなっている。

 個食タイプに属する「マイクロマジック」は「スナック菓子や一般的なおつまみと比べてもお買い求めやすい価格で設定させていただいている。巣ごもりで引き合いが強まり、冷凍庫にストックして好きな時にレンジで手軽にホクホクのフライドポテトを楽しめるため、家庭での子供のおやつだけでなく、家飲みのおつまみとしても利用されている」という。

 食用油を使わずに調理できる点も強みとする。

 「油で揚げる必要がないことは『マイクロマジック』発売当初からのアピールポイント。食用油の原料価格が上がり、店頭売価も値上げとなる中、油での調理不要でおいしく食べられるマイクロマジックをぜひご活用いただきたい」と訴える。